読書

「声に出してよむ漢詩の名作50」音読で知る漢詩の楽しさ

中国語をポツリポツリとかじっています(しかもDuolingoベース)。遅々として進まないながらも今まで3度はギブアップしたことを考えれば、細々とは言え我ながら続いている方だと思います(ありがとう、Duolingo)。 何かもっと中国語と親しくなれる方法はな…

「穴あきエフの初恋祭り」言葉遊びの向こう側を覗き見る読書の楽しさ

前回「エッセイ風小説」を読破(?)できたので調子に乗ってもう一冊読んでみました。短編集なので読みやすいかな、と思いきややはり手強かったな。文庫本で。 「穴あきエフの初恋祭り」 多和田葉子 著 Amazon.co.jp 留学先のアメリカから就職面接の為に10…

「プラナリア」様々な無職の人たちが登場する短編集

以前Audibleで聞いた「百年の子」を朗読された石田ひかりさんがファンと言うのを聞いて読んでみたくなった作家。直木賞受賞作を文庫本で。 「プラナリア」 山本文緒 著 Amazon.co.jp 乳がんの手術以来、体調不良のせいもあって何事にも前向きに取り組めない…

「いつかたこぶねになる日」漢詩の豊かさ教えてくれるエッセイ

いつかこの人の本を読みたいと思い、「後で買う」に入れっぱなしだったのが、本屋で文庫本を発見!あぁ文庫になってくれてありがとう。迷わず買いました。 「いつかたこぶねになる日」 小津夜景 Amazon.co.jp フランス在住の俳人である著者。しかし本作は句…

「百年の散歩」エッセイのような小説で時空を超えた散歩を楽しむ

前回はAudibleで読んだ多和田葉子。今回は書籍で。 「百年の散歩」 多和田葉子 著 Amazon.co.jp ドイツ・ベルリンに居住する「わたし」。ベルリンに実在する通りを一つ一つ訪ね気楽に散歩しながら、来ない「あの人」との頼りない待ち合わせの約束を思いつつ…

「青い壺」奇跡の復刊からベストセラーになった幻の名作

とても久しぶりの有吉佐和子。昔の作品ながら昨年末頃からベストセラーになっていますね。原田ひ香の帯と共に平積みになっていた文庫本で。 「青い壺」 有吉佐和子 著 Amazon.co.jp 青磁を制作する陶芸家の省造は、ある日会心の出来の美しい色合いの壺を焼き…

「薬指の標本」期待していた小川ワールドに踏み入れた感じです

あぁ「小川洋子ワールド」という感じでした。文庫本で。 「薬指の標本」 小川洋子 著 Amazon.co.jp 清涼飲料水工場で働いていた「わたし」はサイダー製造の作業中謝って薬指の先端を切断し失ってしまう。工場を辞めたわたしは偶然見かけた求人の張り紙を見つ…

「リボルバー」アートミステリー小説でゴッホやゴーギャンを知る

久しぶりにずっしり重たい新書版。夫の積ん読棚から拝借して。 「リボルバー」 原田マハ 著 Amazon.co.jp 幼い頃からゴッホやゴーギャンに魅せられていた高遠冴は、パリで美術史の博士号を取得した後、現地の小さなオークション会社CDCに勤務し、将来的には…

「こちらあみ子」風変わりな少女の目線で綴られたお話

前回Audibleで聴いた著者。今回は書籍で。 「こちらあみ子」 今村夏子 著 Amazon.co.jp あみ子は、小学生の時からよく学校をサボり、たまに登校しても大声を出したり途中でいなくなったりしてしまう少し風変わりな女の子。一緒に登下校してくれる兄、優しく…

「スイートホーム」山手住宅地洋菓子店の甘いホームドラマ

腰痛(ギックリ腰という奴みたいです)で室内でも匍匐前進移動しています。あぁ辛い…しかし腰以外は元気なので、寝床で本とアマプラとDuolingoだけが友達。こちらは久しぶりの図書館で借りた文庫本。返却遅れるなぁ… 「スイートホーム」 原田マハ 著 Amazon.…

「貴婦人Aの蘇生」古い洋館で剥製に囲まれた老女の世界を美しい文章で

気になると、同じ作家の作品が続く傾向に。今回は文庫本で。 「貴婦人Aの蘇生」 小川洋子 著 Amazon.co.jp 動物の剥製を収集する趣味を持つ伯父が、ある日ホッキョクグマの剥製に頭を突っ込んだ状態で亡くなっているのを発見される。一人残されたユーリ伯母…

「密やかな結晶」記憶が消滅される怖さ

立て続けに「紙で」読みたくなって文庫本で読了しました。 「密やかな結晶」 小川洋子 著 Amazon.co.jp 「記憶狩り」という秘密警察によってあらゆる物が一つ一つ島民の生活や記憶から「消滅」していく島。消滅するのは香水であったりラムネであったり鳥であ…

「ブラフマンの埋葬」夢のような寓話のような短い小説

久しぶりの小川洋子。文庫本で。 「ブラフマンの埋葬」 小川洋子 著 Amazon.co.jp あらゆる種類の芸術家の創作活動を場を提供している「創作者の家」。そこで管理人として来訪してくる客達の世話をしている「僕」のもとに、夏のある日傷だらけの小さな生き物…

ブックサンタ:子どもたちに本をプレゼント

「ブックサンタ」という活動をご存知でしょうか。 様々な理由で困難な状況にいる全国の子供達に本を贈る為、NPO法人チャリティーサンタが2017年に書店と連携してスタートさせた社会貢献プロジェクトです。 仕組みとしては、寄付のできる期間(秋分の日か…

「異邦人」意図せずに京都の文化と日本美術を通して京都人に触れる

先月は夏の旅行後のコロナでダウンしてしまった影響もあってあっという間に過ぎてしまい、まともに本を読んでいませんでした。病床にある時こそAudible…と思ったものの実際しんどい時は集中して何かを聴くなんて出来ないものだとわかりました。 さて、これは…

大好きな「芸術新潮」で「らんまん」のモデルの植物愛に触れる 

NHKの朝ドラ、夫共々在宅勤務が始まったあたりからほぼ時計代りに観る毎朝。色々ツッコミたい時もありながら、無職になった今も8時になったら申し合わせたようにTV付けてます。 現在放送されている「らんまん」、今のところ不満?も無く(浜辺美波ちゃん可愛…

「ゴッドファーザー」原作を読んでみると映画との違いや発見が楽しめた

ご無沙汰しています。 腰痛もすっかり良くなり、バタバタと帰省しいつものように実母周りのアレコレに対応しているうちにどんどん遠くなっていたブログ… あぁこれではイカん!と久しぶりにキーボードを叩いています。腰痛復活しませんように。 さて、「ゴッ…

新幹線車内誌「ひととき」修理で甦る仏像の姿で奈良に思いを馳せる

一人暮らしの実母のサポートの為、結構な頻度で帰省していますが、その際にお世話になっている新幹線。いろいろ比較検討した結果、コスト・利便性の点から、エクスプレス予約でしかも「こだまの早割」を愛用しています。 minonoblog.hatenablog.com 言わずと…

「ku:nel」人生を変えた本のあれこれ。紹介した人達の思いが詰まっています

雑誌類はざっくり立ち読みで終わるのが常だけれど、マンネリになりがちな本のチョイスに役立てたくて。 「ku:nel」 Amazon.co.jp 私のいい加減な記憶の中で、昔ユーミンが自分の本棚を人に見せるのは、下着の入ったクローゼットを見せるのと同じ(くらい勇気…

「人は話し方が9割」やはり話し上手は聞き上手でした

割と長く売れている本ですね。本屋でよく見ましたが私はAudibleで。 「人は話し方が9割」 永松 茂久 著 Amazon.co.jp 先月TVに著者の永松氏が出ているのを見ました。たこ焼き屋から起業し飲食店経営者としての経験から、人材の管理と育成という点で、従業員…

「世界で一番美しいマンダラ図鑑」美しいカラーページで世界のマンダラを堪能する

カラーページの美しさに一目惚れしての衝動買いの一冊。 「世界で一番美しいマンダラ図鑑」 マンダラは元々サンスクリット語manda(本質、心髄)+la(所有)から来ており、漢字では曼荼羅、曼陀羅、漫挐羅などと表記されているようです。 そもそも仏教では…

「飲茶の「最強!の」ニーチェ」入門書からその思想を実生活に落とし込めるか?

昨年から始めたAudible。お陰で「読書」の概念が変わったような気がします。以前は積極的に手にしなかった本も気軽に読むようになったのは、自分としては一番のメリット。 もちろん「聞く」だけでは物足りない場合もあり、そんな時には素直に本屋や図書館で…

「おいしいごはんが食べられますように」

タイトルからハートウォーミングな癒し系の本かと思っていたら、一癖ありました。芥川賞受賞作をAudibleで。 「おいしいごはんが食べられますように」 高瀬隼子 著 主人公二谷はソツなく仕事をこなす独身の男性社員。同じ職場にいる芦川さんは可愛らしく見る…

又吉先生に感化され、改めて太宰を読んでみる

太宰治を愛してやまない又吉氏。彼のYoutubeチャンネルでは度々(というか頻繁に)太宰が取り上げられています。 太宰かぁ…昔そう言えば読んだけれど。もう記憶の彼方なので改めて読んで(読み返して)みようと思います。 ちなみにこれは太宰行きつけ鰻屋「…

「スピン」期間限定の雑誌で本の良さを改めて感じる

今日実家に帰っているのですが、先日本屋で手にしたこれを連れてきました。久しぶりに「紙の」本を読んでのんびり読書するシアワセ。 「スピン」 引用:河出書房新社 2026年に創業140周年を迎える河出書房新社が、その記念企画として発行したのが、16号限定…

「孤独を生きる」超楽観的な「孤独」との向き合い方を読んで

とても久しぶりの齋藤孝氏の著書。Audibleで読んでみました。 「孤独を生きる」 齋藤孝 著 一時期子供がまだ小さかった頃に、子供の学習関連で著者の本を何冊か読んだ記憶があります。「勉強のチカラ!」なんかは面白かったなぁ。「なんで勉強しないといけな…

価値観の変わっていく未来に、「イイね」が持つ影響を考える

山口周氏の三冊目。今回は対談形式です。Audibleで。 「世界観をつくる 感性x知性の仕事術」 山口 周 水野 学 著 引用:Amazon.co.jp モノが売れないと言われている現代。しかし社会に過剰に溢れているのは「モノ」だけではなく、その「モノ」を作り出す思考…

スマホを駆使した発信力と行動力をホリエモンの本で学んでみる

ホリエモンによるスマホを駆使した生き方の本。予想通りに最初から最後まで「ホリエモン節」でした。Audibleで。 「スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー 35の行動スキル」 堀江貴文 著 彼自身冒頭で言っている通り、スマホの使い方やオススメのアプリの…

相手の心を開くことは難しいけれど、人の話を聞いてみたくなる本でした

TVや雑誌でお馴染みのアガワさん。少し前の本をAudibleで。 「聞く力」 阿川佐和子 著 阿川さんと言えば、雑誌やTVで対談やインタビューをなさっている方のイメージ。「オハナシする」のに慣れた印象ですが、本書ではこれまでのあれこれ失敗談や苦労話を交え…

筋トレが全てを解決するのか?筋肉が人生を変えるというシンプルで最強の本を読んで見た

しんみりした気分だったのでサクッと読める本を、と思って選んだらバカバカしいと思いつつ笑ってしまいました。一貫して「筋肉哲学」が謳われた一冊。Audibleで。 「超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由」 出典:Amazon.…