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「黄色い家」貧しさと犯罪によって歯車が狂い出す少女たちの同居生活

いやー、何か凄いもの読んじゃった(聞いたちゃった)という感じでした。Audibleで。 「黄色い家」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 2020年、総菜屋に勤める花はある日ニュースの記事に黄美子の名前を見つけ、60歳になった彼女が若い女性の監禁・傷害の罪…

「正欲」マイノリティーとは何かという本質的な問題を突きつける一冊

気になっていた一冊。やっと読めました。Audibleで。 「正欲」 朝井リョウ 著 Amazon.co.jp 小学生の息子が不登校になった検事・啓喜、容姿のコンプレックスや兄への嫌悪から男性と恋愛関係に至れない女子大生・八重子、人に言えない性癖を持つ夏月。それぞ…

「ヘヴン」残酷な暴力と哲学の理論が同居する小説

翻訳版が欧米でベストセラーになり話題となった(とかなり後日に知った)作品。あまり「得意」な印象ではない作家なのですが、今回はどうでしょう。Audibleで。 「ヘヴン」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 斜視であることを理由に「ロンパリ」と呼ばれ毎日凄惨…

「まずはこれ食べて」期待通りのお料理と期待を裏切るラスト

家事をしながらでも聞けるのがAudibleの良いところ。台所で聞いていると美味しそうなレシピが…ほんわかムードで始まった物語は予想しなかったラストを迎えます。 「まずはこれ食べて」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 胡雪は、大学の友人達と共に立ち上げたベンチ…

「幸せへのセンサー」自分にとっての幸せが何なのかを考えるエッセイ

小説と思って読み出したらエッセイでした。どうりで短いと思った… Audibleで。 「幸せへのセンサー」 吉本ばなな 著 Amazon. co. jp 「幸せ」とは何か、その捉え方や感じ方など、作者独自の目線でまさに語りかけるような口調で表したエッセイ。こちらもAudib…

「春のこわいもの」6つの短編に潜む怖さは感じられるか?

本作者は、かなり以前に「乳と卵」を読んだきり。久しぶりに、と思いAudibleで。 「春のこわいもの」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 感染症の大流行が間近に迫る東京。入院中の病室でまるで老婆になったかのような妄想を抱きつつ手紙を書く若い女性、ベッドで…

「さよならごはんを今夜も君と」夜食で繋がるストーリー

如何にも読みやすそうなタイトルで選びました。Audibleで。 「さよならごはんを今夜も君と」 汐見夏衛 著 Amazon.co.jp 高校受験を失敗した小春は失った家族からの信頼を取り戻そうと、好きでもない部活をしながら塾へ毎日通い勉強だけが中心の毎日を送る高…

「光のとこにいてね」長い時間をかけて出会いと別れを繰り返す女性二人の物語

以前読んで気に入っていた作家さんを再びAudibleで。 「光のとこにいてね」 一穂ミチ 著 Amazon.co.jp 医師の父を持ちエスカレート式の女子校に通い不自由なく暮らす小学生の結珠(ゆず)。ある日母に連れられ古びた団地に行くがそこでシングルマザーと暮ら…

「風の向こうへ駆け抜けろ」騎手の世界をスポーツエンタメで

タイトルから連想される通りに青春モノでした。Audibleにて。 「風の向こうへ駆け抜けろ」 古内一絵 著 Amazon.co.jp 厳しい騎手養成所での過程を経て無事卒業した瑞穂は、地方競馬場にある緑川厩舎に迎え入れられる。しかしそこは「藻屑の漂流先」と揶揄さ…

「百年の子」学年誌を通して語られる祖母・母・孫娘のお話

Audibleでオススメに上がって来たので。本屋さんの話が続いたので今度は出版社のお話を。先入観なく選んだのが良かったようです。 「百年の子」 古内一絵 著 Amazon.co.jp 明日花は老舗出版社文林館でファッション誌編集部に配属していたが、突然「創業百周…

「新!店長がバカすぎて」再び孤軍奮闘する書店員のお話を

続編どうしようかな、と思っていたけれどやはり手を出してしまいました。同じくAudibleで。 「新!店長がバカすぎて」 早見和真 著 Amazon.co.jp 京子の憧れの先輩小柳店長の寿退社に伴い、宮崎の山奥に異動していた山本猛元店長が吉祥寺本店に店長として復…

「老人ホテル」

立て続けに原田ひ香繋がりで。今回もAudible。 「老人ホテル」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 代々まともに働かず生活保護で暮らすという家庭で育った天使(エンジェル)。保護を受ける為だけに子供をつくり育児放棄している親から逃げるように家を出て、キャバ…

「そして誰もいなくなった」古さを感じないミステリーの古典

ミステリーは普段あまり読まない私。特に海外モノは情けないことに登場人物の名前が覚えられなくて何回も説明のページに戻ることになるので敬遠しがち。それでもアガサ・クリスティーは恐らく何冊か読んだと思うのですが、もしかしたら映画の記憶とごちゃ混…

「古本食堂」古本と食の街神保町への愛が詰まった一冊

気になっていた作家さんをAudibleで。 「古本食堂」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 以前に読んだアンソロジーの中で一番気に入ったストーリーの著者。 minonoblog.hatenablog.com Audibleで結構配信されている原田ひ香氏。どれも「美味しそうな」タイトルばかり…

「拾われた男」"偉人でも故人でもないけれど"ドラマ化された男のエッセイ

ドラマを「チラ見」した後にAudibleで。 「拾われた男」 松尾 諭 著 Amazon.co.jp 「何となく」俳優になりたくなって上京。たまたま自動販売機の下で拾った航空券の持ち主がモデル事務所の社長であったことから、同事務所の所属+所属女優の付き人(運転手)…

「きれいになりたい気がしてきた」

先日大学生の次女との電話での事。最近とみに顔のたるみが気になるので顔ダンスたらパックたら手を出している旨伝えると、「もう結婚してるのに何のために頑張る必要があるのか」という趣旨の事を言われました。ん…即答できずに何かモヤモヤしたままだったと…

「ほろよい読書」再びお酒が飲みたくなる短編集

お酒にまつわる短編集。Audibleで。 「ほろよい読書」 Amazon.co.jp 5人の作家によるアンソロジー。後先になりましたが続編にあたる「おかわり」を先にいただいていましたw minonoblog.hatenablog.com 「おかわり」同様にそれぞれの作家が各々異なったシチュ…

「店長がバカすぎて」

タイトルに惹かれてAudibleで。 「店長がバカすぎて」早見和真 著 Amazon.co.jp 谷原京子ば武蔵野書店の吉祥寺店に勤める28歳契約社員。時給は一向に上がらないのに仕事は激務になる一方。理不尽な客の応対から売上アップへの対策検討まで正社員と変わらぬ勤…

「その手をにぎりたい」

何冊目かの柚木麻子の本をAudibleで。 「その手をにぎりたい」 柚木麻子 著 Amazon.co.jp 東京でOL生活をしていた24歳の青子は、都会の生活に見切りをつけ実家に戻りかんぴょう農家を手伝うことを決意。送別会にと社長に連れていってもらった銀座の高級寿…

「百花」

映画化もされましたね。原作をAudibleで。 「百花」 川村元気 著 Amazon. co. jp 女手一つで自分を育ててくれた母親百合子との間の溝を埋められないままの一人息子泉。自身が既に結婚しもうすぐ父親になろうとする矢先、一人暮らしの百合子が認知症と診断さ…

「カラフル」

この作者が面白かったので、別の作品を…とAudibleで聞き始めると、以前ドラマ化されたのをちらっと観た記憶が。当然オチもわかってはいたのですが改めて。 「カラフル」 森 絵都 著 Amazon.co.jp 生前に犯した罪によって一度輪廻のサイクルから外された「ぼ…

「最後は臼が笑う」思わずクスッとなる関西女のお話

サクッと読める短編。Audibleで。 「最後は臼が笑う」 森 絵都 著 Amazon.co.jp 友人の桜子は39歳の公務員。生まれてこの方妻子持ちや借金持ちなどロクでもない男ばかりと付き合っており、騙されたり貢がされたりばかりの人生。しかし当の本人は「悪い男ほ…

「墨のゆらめき」書の世界をテレビドラマのような設定で

久しぶりの三浦しをんをAudibleで。最後まで楽しく読めました。 「墨のゆらめき」 三浦しをん 著 Amazon. co.jp 都内の老舗「三日月ホテル」に勤務する続力(つづき・ちから)は、実直そのものでよく人から声を掛けられたり頼み事をされてしまう程人の良さが…

「やさしい訴え」クラシックの音楽と楽器と男女のお話

短編集が良かった小川洋子を又読みたくなったので。今回もAudibleで。 「やさしい訴え」小川洋子 著 Amazon.co.jp 不実な夫との生活から逃れ山間の別荘に移り住んできた、カリグラフィーの専門家である「わたし」。突然楽器を弾けなくなった元ピアニストで今…

「1日誰とも話さなくても大丈夫」一人で生きていく力強いアドバイスになるかな?

サクッと気楽に読みたいなと思って選んだ本作。期待通りであっと言う間に読了できました。Audibleで。 「1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ」鹿目将至 著 鳥居りんこ 取材・文 Amazon.co.jp 長いコロナ…

「放課後の音符」17歳女子たちの感情を細やかな表現で

一時期山田詠美をよく読んでいた頃があり、熱血ポンちゃんシリーズまで手を出していて、本作も既に読んだものと思っていましたが意外に未読でした。Audibleで。 「放課後の音符」 山田詠美 著 Amazon.co.jp もはや子供ではないけれど「大人」にはなり切れて…

「ハンチバック」

ずっと気になっていた作品で、やっと読み終えました。文學界新人賞・芥川賞受賞作。Audibleで。 「ハンチバック」 市川沙央 著 Amazon.co.jp 重度の筋疾患(ミオパチー)を患い、電動車椅子と人工呼吸器を日々の生活を送ることができない釈華。親が遺産とし…

「月の立つ林で」月にまつわる5つの優しい話

気分が少々「しんどいな」と感じる時に読みたくなる作家さん。期待を裏切らない読了感でした。Audibleで。 「月の立つ林で」青山美智子 著 Amazon.co.jp 長年勤めた病院を辞めるも就活がままならない元看護師、芸人の夢を捨てきれない男、結婚を控えた娘を巡…

「カレーの時間」手軽だけど鉄板の味で繋ぐ家族のお話

本屋でランキングに入っていたのを見つけて。Audibleで読んで見ました。 「カレーの時間」 寺地はるな著 Amazon.co.jp 昔気質で頑固な祖父義景は女性蔑視な発言が多々あるまさに「昭和世代」な人間。孫息子の桐矢は女性ばかりに囲まれ育った繊細で綺麗好きな…

「むらさきのスカートの女」曖昧な存在に見え隠れする不思議な狂気

何だかホラーっぽいタイトルに惹かれて。内容はホラーというより奇妙な印象でした。芥川賞受賞作。Audibleで。 「むらさきのスカートの女」 今村夏子 著 Amazon.co.jp 近所に住みいつも紫色のスカートを穿いていることから「むらさきのスカートの女」と呼ば…