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「口福のレシピ」一皿の料理が繋げる昭和と現代の女性たちの物語

原田ひ香+料理で読みやすそうな一冊を。Audibleで。 「口福のレシピ」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 江戸時代から続く伝統ある料理学校「品川料理学園」の一人娘留季子。後継者とされるプレッシャーに耐えきれず、卒業後は家を出てSEとなるが、本来食べること…

「成瀬は天下を取りにいく」ローカル愛豊かな青春物語

本屋大賞受賞作。配信を待っていました。Audibleで。 「成瀬は天下を取りにいく」 宮島未奈 著 Amazon.co.jp 滋賀県大津市に住む中学2年の成瀬あかりは子供の頃から「変わり者」。クラスでも浮いた存在で幼馴染の島崎みゆきだけがいろいろと付き合う羽目に…

「紫式部と藤原道長」大河ドラマを思い浮かべつつ史実に忠実な解説を楽しむ

毎年大河ドラマを見ています。今回は平安時代、特に紫式部をモデルとしているとの事で、昨年あたりから関連の本やイベントが多くなったような。個人的にここらあたりは非常に知識が乏しいので少しでも参考になるといいかな、と。Audibleで。 「紫式部と藤原…

「リカバリー・カバヒコ」優しさ溢れる作者独自の世界に癒される

本屋大賞では常連の作者。安定の「青山美智子ワールド」でした。Audibleで。 「リカバリー・カバヒコ」 青山美智子 著 Amazon.co.jp 街の小さな公園にあるカバの形をしたアニマルライド。「カバヒコ」という名のその遊具は、自分が治したい部分と同じところ…

「無限大ガール」まるで漫画なスーパー高校生の活躍がひたすら楽しい

カバーのイラストに惹かれて。内容も同じくらいに可愛らしさ満載でした。Audibleで。 「無限大ガール」 森 絵都 著 Amazon.co.jp 高校二年生の相川早奈は、両親から「長身」と「器用さ」を受け継ぎながらどこの部活にも所属していないものの、頼まれれば今日…

「月の満ち欠け」生まれ変わりを繰り返す女性とそこに関わる男たち

映画化もされた作品。Audibleで。 「月の満ち欠け」 佐藤正午 著 Amazon.co.jp 小山内賢は妻の梢と娘の瑠璃を突然事故で亡くしてしまう。失意の小山内の前に三角という男が現れ、実は瑠璃は三角に会いに行く途中に事故にあったのだと語る。何の面識も無い男…

「星の子」信仰に取り込まれる両親を持つ子供の目線

今村夏子作品。今回はAudibleで。 「星の子」 今村夏子 著 Amazon.co.jp 「わたし」は中学3年生の林ちひろ。未熟児で生まれ生後間もなく原因不明の湿疹にかかり、あらゆる手を尽くしたが全く効果を得られず困り果てた父親は、同僚のくれた「特別な水」を使…

「下流の宴」で中流家庭に起こる騒動をシニカルに

エッセイも含めて何冊か読んでいる著者の、初めて面白かったぁと思えた作品。Audibleで。 「下流の宴」 林真理子 著 Amazon.co.jp 東京のごく一般的な家庭、いわゆる「中流」の家の主婦である由美子。これまた一般的なサラリーマンである夫との四人家族で申…

「アーセナルにおいでよ」起業する若者の爽やかな頑張り

Audible先行配信「オーディオファースト」の一つ。勿論Audibleで。 「アーセナルにおいでよ」 あさのあつこ 著 Amazon.co.jp 小さい頃から飛び抜けて大柄である事と人とのコミュニケーションが不得手である事がコンプレックスの千香。ある日長年音信不通の幼…

「夏物語」で「乳と卵」再びとその後を

あまり得意な作家じゃない、と思っていたのに気が付いたらまた選んでいました。Audibleの気軽さも手伝っているかな。 「夏物語」川上未映子 著 Amazon.co.jp 大阪の下町の貧しい環境で育ちやがて小説家を目指し上京した夏子は、一冊の小説を出したきりで生活…

「地球にちりばめられて」言葉や国境を越えて問うアイデンティティ

物凄く久しぶりの多和田葉子。Audibleで。 「地球にちりばめられて」 多和田葉子 著 Amazon.co.jp 留学中に故郷の国が「消滅」してしまったHirukoは、ヨーロッパ大陸で生きて行く為「パンスカ」という独自の言語を作ってコミュニケーションを図っている。テ…

「黄色い家」貧しさと犯罪によって歯車が狂い出す少女たちの同居生活

いやー、何か凄いもの読んじゃった(聞いたちゃった)という感じでした。Audibleで。 「黄色い家」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 2020年、総菜屋に勤める花はある日ニュースの記事に黄美子の名前を見つけ、60歳になった彼女が若い女性の監禁・傷害の罪…

「正欲」マイノリティーとは何かという本質的な問題を突きつける一冊

気になっていた一冊。やっと読めました。Audibleで。 「正欲」 朝井リョウ 著 Amazon.co.jp 小学生の息子が不登校になった検事・啓喜、容姿のコンプレックスや兄への嫌悪から男性と恋愛関係に至れない女子大生・八重子、人に言えない性癖を持つ夏月。それぞ…

「ヘヴン」残酷な暴力と哲学の理論が同居する小説

翻訳版が欧米でベストセラーになり話題となった(とかなり後日に知った)作品。あまり「得意」な印象ではない作家なのですが、今回はどうでしょう。Audibleで。 「ヘヴン」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 斜視であることを理由に「ロンパリ」と呼ばれ毎日凄惨…

「まずはこれ食べて」期待通りのお料理と期待を裏切るラスト

家事をしながらでも聞けるのがAudibleの良いところ。台所で聞いていると美味しそうなレシピが…ほんわかムードで始まった物語は予想しなかったラストを迎えます。 「まずはこれ食べて」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 胡雪は、大学の友人達と共に立ち上げたベンチ…

「幸せへのセンサー」自分にとっての幸せが何なのかを考えるエッセイ

小説と思って読み出したらエッセイでした。どうりで短いと思った… Audibleで。 「幸せへのセンサー」 吉本ばなな 著 Amazon. co. jp 「幸せ」とは何か、その捉え方や感じ方など、作者独自の目線でまさに語りかけるような口調で表したエッセイ。こちらもAudib…

「春のこわいもの」6つの短編に潜む怖さは感じられるか?

本作者は、かなり以前に「乳と卵」を読んだきり。久しぶりに、と思いAudibleで。 「春のこわいもの」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 感染症の大流行が間近に迫る東京。入院中の病室でまるで老婆になったかのような妄想を抱きつつ手紙を書く若い女性、ベッドで…

「さよならごはんを今夜も君と」夜食で繋がるストーリー

如何にも読みやすそうなタイトルで選びました。Audibleで。 「さよならごはんを今夜も君と」 汐見夏衛 著 Amazon.co.jp 高校受験を失敗した小春は失った家族からの信頼を取り戻そうと、好きでもない部活をしながら塾へ毎日通い勉強だけが中心の毎日を送る高…

「光のとこにいてね」長い時間をかけて出会いと別れを繰り返す女性二人の物語

以前読んで気に入っていた作家さんを再びAudibleで。 「光のとこにいてね」 一穂ミチ 著 Amazon.co.jp 医師の父を持ちエスカレート式の女子校に通い不自由なく暮らす小学生の結珠(ゆず)。ある日母に連れられ古びた団地に行くがそこでシングルマザーと暮ら…

「風の向こうへ駆け抜けろ」騎手の世界をスポーツエンタメで

タイトルから連想される通りに青春モノでした。Audibleにて。 「風の向こうへ駆け抜けろ」 古内一絵 著 Amazon.co.jp 厳しい騎手養成所での過程を経て無事卒業した瑞穂は、地方競馬場にある緑川厩舎に迎え入れられる。しかしそこは「藻屑の漂流先」と揶揄さ…

「百年の子」学年誌を通して語られる祖母・母・孫娘のお話

Audibleでオススメに上がって来たので。本屋さんの話が続いたので今度は出版社のお話を。先入観なく選んだのが良かったようです。 「百年の子」 古内一絵 著 Amazon.co.jp 明日花は老舗出版社文林館でファッション誌編集部に配属していたが、突然「創業百周…

「新!店長がバカすぎて」再び孤軍奮闘する書店員のお話を

続編どうしようかな、と思っていたけれどやはり手を出してしまいました。同じくAudibleで。 「新!店長がバカすぎて」 早見和真 著 Amazon.co.jp 京子の憧れの先輩小柳店長の寿退社に伴い、宮崎の山奥に異動していた山本猛元店長が吉祥寺本店に店長として復…

「老人ホテル」

立て続けに原田ひ香繋がりで。今回もAudible。 「老人ホテル」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 代々まともに働かず生活保護で暮らすという家庭で育った天使(エンジェル)。保護を受ける為だけに子供をつくり育児放棄している親から逃げるように家を出て、キャバ…

「そして誰もいなくなった」古さを感じないミステリーの古典

ミステリーは普段あまり読まない私。特に海外モノは情けないことに登場人物の名前が覚えられなくて何回も説明のページに戻ることになるので敬遠しがち。それでもアガサ・クリスティーは恐らく何冊か読んだと思うのですが、もしかしたら映画の記憶とごちゃ混…

「古本食堂」古本と食の街神保町への愛が詰まった一冊

気になっていた作家さんをAudibleで。 「古本食堂」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 以前に読んだアンソロジーの中で一番気に入ったストーリーの著者。 minonoblog.hatenablog.com Audibleで結構配信されている原田ひ香氏。どれも「美味しそうな」タイトルばかり…

「拾われた男」"偉人でも故人でもないけれど"ドラマ化された男のエッセイ

ドラマを「チラ見」した後にAudibleで。 「拾われた男」 松尾 諭 著 Amazon.co.jp 「何となく」俳優になりたくなって上京。たまたま自動販売機の下で拾った航空券の持ち主がモデル事務所の社長であったことから、同事務所の所属+所属女優の付き人(運転手)…

「きれいになりたい気がしてきた」

先日大学生の次女との電話での事。最近とみに顔のたるみが気になるので顔ダンスたらパックたら手を出している旨伝えると、「もう結婚してるのに何のために頑張る必要があるのか」という趣旨の事を言われました。ん…即答できずに何かモヤモヤしたままだったと…

「ほろよい読書」再びお酒が飲みたくなる短編集

お酒にまつわる短編集。Audibleで。 「ほろよい読書」 Amazon.co.jp 5人の作家によるアンソロジー。後先になりましたが続編にあたる「おかわり」を先にいただいていましたw minonoblog.hatenablog.com 「おかわり」同様にそれぞれの作家が各々異なったシチュ…

「店長がバカすぎて」

タイトルに惹かれてAudibleで。 「店長がバカすぎて」早見和真 著 Amazon.co.jp 谷原京子ば武蔵野書店の吉祥寺店に勤める28歳契約社員。時給は一向に上がらないのに仕事は激務になる一方。理不尽な客の応対から売上アップへの対策検討まで正社員と変わらぬ勤…

「その手をにぎりたい」

何冊目かの柚木麻子の本をAudibleで。 「その手をにぎりたい」 柚木麻子 著 Amazon.co.jp 東京でOL生活をしていた24歳の青子は、都会の生活に見切りをつけ実家に戻りかんぴょう農家を手伝うことを決意。送別会にと社長に連れていってもらった銀座の高級寿…