「人は話し方が9割」やはり話し上手は聞き上手でした

割と長く売れている本ですね。本屋でよく見ましたが私はAudibleで。

「人は話し方が9割」 永松 茂久 著

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先月TVに著者の永松氏が出ているのを見ました。たこ焼き屋から起業し飲食店経営者としての経験から、人材の管理と育成という点で、従業員とのコミュニケーションの取り方がいかに重要であったかに気付き、以降作家となり企業のコンサルタントもされているという著者。インタビューの受け答えも爽やかで、さすが著書のタイトルを身を以て表しているようでした。

本書では人とのコミュニケーションを取る上での、幾つかのポイントが挙げられているのですが、難しいテクニックを言っているのではなく、むしろ相手への「態度」や「敬意」などメンタルな面を重視しているように思われます。

そもそも人は「自分の事に一番興味がある」ので、「自分を理解して欲しい」し、「自分を分かってくれる人に好意を持つ」と指摘されています。

なので、相手の事がわかっている、少なくとも「わかろうとしている」ように相手の話に応対する。つまり「聞き上手」であることが「会話上手」「コミュニケーション上手」になれることである、としています。

それもただ単に相槌を打つだけでなく、顔、声、体全体を使って「聞いている」事を伝える事で、相手が気持ちよく話してくれるよう促し、会話全体の流れも良くなっていくからです。

この他、会話を膨らませる為に多用できる上手な相槌や補足する言葉、印象に残る自己紹介の仕方、避けるべきNGワードなど、実際の会話でヒントになりそうなテクニックも盛り込まれています。

いろいろと提言されている著者ですが、「話しにくい人と無理に話そうとしなくていい」と言われています。

苦手な人と無理に話をする事で、うまく話が続かず、自信を無くして話をする事自体が嫌になってしまう事に繋がるからだそうです。

それよりも好きな人とばかり話していると会話が弾み、ひいては「人と話すことが楽しくなり」自然と会話に自信がついてくるので、苦手な人とも徐々にうまく話せるようになるのだとか。

例えば社内でプロジェクトへの参加を募る場面でも、無理やり人を巻き込もうとせず、先ず自分がそのプロジェクトに関わっていかに楽しいかワクワクしているかを伝えれば、自ずと人はついてくるものだ、と述べている章もありました。

人と接する際に、話術のスキルよりも根本的に大事なのは極めてシンプルである事が書かれてあって、面白く読めました。そしてシンプルな事が一番難しいんですよね。