「声に出してよむ漢詩の名作50」音読で知る漢詩の楽しさ

中国語をポツリポツリとかじっています(しかもDuolingoベース)。遅々として進まないながらも今まで3度はギブアップしたことを考えれば、細々とは言え我ながら続いている方だと思います(ありがとう、Duolingo)。

何かもっと中国語と親しくなれる方法はないものかと模索する中(歌は好みが見つからず映画の台詞を聞き取るには程遠い)、選んでみたのが漢詩でした。

「声に出してよむ漢詩の名作50」荘 魯迅 著

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李白杜甫など、有名な漢詩の中から厳選した50首を、読み下し文、現代語訳文、解説をそれぞれ付記、更に副題にあるように、日本語と中国語のどちらも音読を楽しめるように、中国語のピンインと読み仮名を付けた一冊。

そもそも漢詩に興味を持ったのはやはり小津夜景。

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彼女のエッセイにハマって珍しく何度も繰り返し読むうちに、「漢詩、面白いかも…」と思うようになり、中国語学習のモチベになれば良いな、と考え何冊か関連本を購入。中でもこの「声に出してよむ…」は一つ一つの解説や注釈がとても丁寧で、純粋に「読み物」としても楽しめるもの。詩の背景にある歴史や文化も合わせて学べる形になっており、中国語を学習する上でも(直接の語学習得に利用するかは別としても)とても役立つと思われます。

中国出身で文化革命の時代を経験した著者は、芸術家の両親の元に生まれ、自身も吟遊詩人として名を馳せた歌手。著者自身の朗読がダウンロードで聴けるというのも特典になっているようです。

朗々と抑揚を付けた朗読は好みが分かれ、特に中国語学習者にとっては分かりづらい可能性も(個人的には正直聞き取りが難しく、逆にYouTubeなどで他の音声を探して聞いている状態)。しかし著者自身のパフォーマンスを楽しみたい、とする方には恰好の付属音声でしょう。

装丁も構成もシンプルながら中身の濃い一冊。学生の頃は苦手意識しかなかった漢文が、年をとって少し面白くなってきた不思議を感じながら、毎日ちょっとづつ読み進めるのが楽しみです。