2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「哀れなるものたち」異次元のような美しい映像とグロテスクさが混在

アカデミー賞多部門でノミネートされている作品。初のシニア料金利用で観に行きました。ん…いろいろと凄かったです。 「哀れなるものたち」 映画.com 天才外科医ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)は、若く美しい妊婦(エマ・ストーン)の水死体をその胎児…

「幸せへのセンサー」自分にとっての幸せが何なのかを考えるエッセイ

小説と思って読み出したらエッセイでした。どうりで短いと思った… Audibleで。 「幸せへのセンサー」 吉本ばなな 著 Amazon. co. jp 「幸せ」とは何か、その捉え方や感じ方など、作者独自の目線でまさに語りかけるような口調で表したエッセイ。こちらもAudib…

「春のこわいもの」6つの短編に潜む怖さは感じられるか?

本作者は、かなり以前に「乳と卵」を読んだきり。久しぶりに、と思いAudibleで。 「春のこわいもの」 川上未映子 著 Amazon.co.jp 感染症の大流行が間近に迫る東京。入院中の病室でまるで老婆になったかのような妄想を抱きつつ手紙を書く若い女性、ベッドで…

「息吹」現実と妄想を行き来する世界

Audibleオリジナルである「オーディオファースト」作品の一つ。短めの小説でした。 「息吹」 平野啓一郎 著 Amazon.co.jp 一人息子の模試会場に迎えに行った息吹。到着が早すぎた為時間つぶしに入ろうとしたかき氷屋が満員で仕方なく入ったマクドナルドで、…

「さよならごはんを今夜も君と」夜食で繋がるストーリー

如何にも読みやすそうなタイトルで選びました。Audibleで。 「さよならごはんを今夜も君と」 汐見夏衛 著 Amazon.co.jp 高校受験を失敗した小春は失った家族からの信頼を取り戻そうと、好きでもない部活をしながら塾へ毎日通い勉強だけが中心の毎日を送る高…

「ブラフマンの埋葬」夢のような寓話のような短い小説

久しぶりの小川洋子。文庫本で。 「ブラフマンの埋葬」 小川洋子 著 Amazon.co.jp あらゆる種類の芸術家の創作活動を場を提供している「創作者の家」。そこで管理人として来訪してくる客達の世話をしている「僕」のもとに、夏のある日傷だらけの小さな生き物…

めでたく還暦になりました

おかげさまで60歳を迎えました。これと言って何の感慨もありません。年金受給資格に一歩近づいた、くらいのものでしょうか。 昔なら60と言えばそこそこに年寄りの仲間入りで、それなりに有り難がられていたような気もしますが(米寿で亡くなった祖父は長…

「光のとこにいてね」長い時間をかけて出会いと別れを繰り返す女性二人の物語

以前読んで気に入っていた作家さんを再びAudibleで。 「光のとこにいてね」 一穂ミチ 著 Amazon.co.jp 医師の父を持ちエスカレート式の女子校に通い不自由なく暮らす小学生の結珠(ゆず)。ある日母に連れられ古びた団地に行くがそこでシングルマザーと暮ら…

「素晴らしき世界」は優しくて生きづらい世の中か

世間は「PERFECT DAYS」高評価中ですが、映画館行きそびれたままなので、同じく高評価だった役所広司出演作をアマプラで。 「素晴らしき世界」 映画.com 殺人罪で13年の刑期を終え出所した三上(役所広司)。持病の高血圧に苦しみつつも、身元引受人で弁護…

「風の向こうへ駆け抜けろ」騎手の世界をスポーツエンタメで

タイトルから連想される通りに青春モノでした。Audibleにて。 「風の向こうへ駆け抜けろ」 古内一絵 著 Amazon.co.jp 厳しい騎手養成所での過程を経て無事卒業した瑞穂は、地方競馬場にある緑川厩舎に迎え入れられる。しかしそこは「藻屑の漂流先」と揶揄さ…

「百年の子」学年誌を通して語られる祖母・母・孫娘のお話

Audibleでオススメに上がって来たので。本屋さんの話が続いたので今度は出版社のお話を。先入観なく選んだのが良かったようです。 「百年の子」 古内一絵 著 Amazon.co.jp 明日花は老舗出版社文林館でファッション誌編集部に配属していたが、突然「創業百周…

「新!店長がバカすぎて」再び孤軍奮闘する書店員のお話を

続編どうしようかな、と思っていたけれどやはり手を出してしまいました。同じくAudibleで。 「新!店長がバカすぎて」 早見和真 著 Amazon.co.jp 京子の憧れの先輩小柳店長の寿退社に伴い、宮崎の山奥に異動していた山本猛元店長が吉祥寺本店に店長として復…

「老人ホテル」

立て続けに原田ひ香繋がりで。今回もAudible。 「老人ホテル」 原田ひ香 著 Amazon.co.jp 代々まともに働かず生活保護で暮らすという家庭で育った天使(エンジェル)。保護を受ける為だけに子供をつくり育児放棄している親から逃げるように家を出て、キャバ…

「そして誰もいなくなった」古さを感じないミステリーの古典

ミステリーは普段あまり読まない私。特に海外モノは情けないことに登場人物の名前が覚えられなくて何回も説明のページに戻ることになるので敬遠しがち。それでもアガサ・クリスティーは恐らく何冊か読んだと思うのですが、もしかしたら映画の記憶とごちゃ混…

今年もたくさんの美術に出会いたい!

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 3が日は帰阪し実家で過ごしました。古い木造の家なので隙間風が酷く、昔なら石油ストーブを置いてその上でヤカンでお湯を沸かして暖を取っていたのですが、今や年寄り一人なので専らエアコン…