「幸せへのセンサー」自分にとっての幸せが何なのかを考えるエッセイ

小説と思って読み出したらエッセイでした。どうりで短いと思った… Audibleで。

「幸せへのセンサー」 吉本ばなな 著

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「幸せ」とは何か、その捉え方や感じ方など、作者独自の目線でまさに語りかけるような口調で表したエッセイ。こちらもAudible先行のオーディオファースト 作品です。朗読は俳優の千葉雄大

物事に直面した際などに周囲の意見は聞きつつも、「自分はこう感じる」「こんな風に考える」という自分なりの思いや感覚を自身の中に持っておく事、どこまでなら耐えられる、という感覚を大切にする、など、自分自身の体や心の声を大事にする事で、それぞれが思う「幸せ」がどういうものなのか自ずとわかってくるのでは、と作者は語っています。

ご両親を亡くされた時の事など、自身の経験も基にしての内容で、概ねわかりやすく優しい言葉遣いではありますが、ソフトな語りの割にどうも上からゴンと言われているような感じがするな、と思ったのですが、作者自身インタビュー記事の中でそこらあたり言及されていました。

本作は自身の年齢の読者には厳しい内容になる可能性があり、特に(自分のペースで読める)目から入る場合と違い、耳からだと「怒られているような気持ちになるかもしれない」ので、敢えてニュートラルな柔らかい雰囲気で読んでくれそうな千葉雄大氏に朗読を頼んだそうです。

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あぁ、やはりキツく思えた私の感覚はあながち間違ってなかったな、と思うのと同時に、そこをわかった上での作品だったのだ、と納得し改めて作者の頭の良さがわかりました。私は作者と同世代。以下は朗読した千葉雄大クンのコメントですが、確かに世代によって感じ方は異なるでしょうね。

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確かに自分の心や体の「センサー」というのは、意識していないと見失いがちなもの。少し心がけている事で毎日生きやすくなることに繋がるのかもしれません。