「マリコ、東奔西走」久しぶりマリコ節のエッセイを

最近、遠ざかっていたAudible。月会費払っているんだから利用せねばと思いつつ滞ってしまいました。こんな状況なので聞き流しできる本で(失礼)と探してこれに当たった次第。

マリコ、東奔西走」 林 真理子 著

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週刊文春に長期好評連載中のエッセイ集。昨年2022年連載分をまとめたもので、時事ネタを織り交ぜながらの内容なので、「あぁあんなことあったなぁ」と振り返るお話も。

林真理子のエッセイと言えばananが真っ先に頭に浮かぶ世代。あちらはバブル真っ只中の影響もあって、エステだ旅行だとキラッキラのまさしく若い女性に支持されるエッセイだった印象があります。

一方本作ではウクライナ情勢を始め時事関連を適度に絡ませての話を盛り込み、ちょっと「大人になった」感でしょうか。まぁ大学の理事長になられましたものね。それでも「ネタ作りで引き受けたと思われたくないので大学の話はしない」ときっぱり言うあたりも彼女らしい。

anan時代に比べるとキャピキャピしたお話は控えたように思われるものの、お食事や観劇などそれこそネタ作りの一環でもあるのでしょうが、理事長職と並行して執筆活動しながらまさに「東奔西走」のパワフルな様子には、素直に感心…と言うか脱帽します。

どこで書かれた記事かあるいはエッセイだったか忘れましたが、ご出産後読者の方に「これからは子供が全て、なんて言う人になんかならないで」と言われそんなつもりは無い旨の返答をされていた記憶が。

結婚や出産を経ても変わらず怒涛の活躍を見せる彼女。一般人から見れば贅沢に思われるであろう事も十分承知の上で、お金持ちらしい生活を敢えて隠しもせず自慢するでもなく自信が良しと思った通りに過ごしている姿勢は潔さを感じるし、それが彼女のエッセイの魅力にも繋がっているように思われます。

時事ネタは決して同意できないご意見も多々ありはしたものの、概ね「お茶飲みながら女友達とベラベラ喋っている」感覚で読めて、庶民目線を心得ている作者ならではのエッセイでした。

誰もが聞きたい大学の内情は前述の通り避けられているので、これは職を退かれてからのお楽しみという事で…