「家 ごはんと野球」大きな試練を乗り越えた家族の結びつきの強さを感じて

インスタで「4人家族」の楽しそうな写真をストーリーにアップされていましたね。以前カバーモデルをされていた雑誌を購読していました。その後のいろいろを含め今の心境を語っておられるようなので、Kindleで。

「家 ごはんと野球」 亜希 著

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2014年から8年間インスタグラムでアップされていたお弁当とコメント、そして短いコラムが続きます。

これに先立って出されていた著者の本「お弁当が知ってる家族のおはなし」も読んでいましたが、お弁当とその記録というスタイルは変わらず。特にレシピを添えている訳でも無く、飾らない日常の記録が綴られています。

「お弁当…」でもそうだったのですが、亡くなったお母様に対する思いを伝えるコメントが目立ちます。女手一つで育ててくれたという気持ちがそうさせるのでしょう。でも「読み物」として見たときにもう少し抑えるとか、敢えて多くは触れずにおくとかした方が、むしろ伝わるのではないか、と思われました。

でもそういう「体裁を整える」という事の似合わない人なんでしょうね。溢れる気持ちをそのまま言葉にしたようなページが続いて、これはこの著者の人柄なんだろうな、と思わせます。

コラムのページでは、目次にもあるように離婚や逮捕の際の心情や、子供を介して再会する事になった経緯が、淡々と語られています。

お弁当のエッセイでは元気で明るい彼女も、子供二人を庇うように暮らした事に触れているコラムでは、辛い経験の中必死で頑張ってきた様子が垣間見れます。

息子さん達のコメントもあり、「テンション高くて面倒くさい時がある」とまで言われる著者(笑)。でもいつも明るい母親を見ているからどんな時でも「何も変わらなかった」と語っています。

ご飯の美味しさでも人柄の良さでも「うちのお母さんを超える人を見たことがない」と息子に言われるなんて、凄くないですか。「あんなに生命力ある人はいない」とも。

そしていろいろな事があっても、「両親の事を尊敬している」と言う彼ら。

ご本人は「3人なのか4人なのかわからない(笑)」と言っていますが、夫婦や家族のあり方はそれぞれ。他人は好き勝手に詮索するでしょうが、これ程結び付きの強さが感じられるのは素晴らしいと思います。

モデルに似合わず逞しい腕を見せながら、口を大きく開けてガハハと笑う彼女が好きでした。エールを送るつもりで買った本書ですが、逆に元気を貰ったかな。