「恋人たちの予感」観る度にクリスマスに聖地巡礼したくなるNYの魅力を鉄板のラブコメで

クリスマスですね。この時期いろんな映画が観られると思うのだけれど、自分の鉄板はこの一本。ジングルベルが鳴る頃になると決まって思い出し、今年もやっぱりポチッと一人何度目かの鑑賞をアマプラで。

恋人たちの予感」(1989年)

恋人たちの予感 (字幕版)

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シカゴの大学を卒業したばかりのサリー(メグ・ライアン)。友人の彼ハリー(ビリー・クリスタル)と同乗しニューヨークへ向かうが、「男女間の友情」を巡り口論、互いに最悪の印象のまま別れる。その5年後各々パートナーがいる二人は偶然空港で再会するが又も口論のまま別れ、さらにその5年後マンハッタンの本屋で再会する彼ら。大人になった二人は「友達」として交流を深めていく事になるが…

10年の月日を経てめぐり逢う二人に、「男女の友情は成立するか」をテーマにしたロマンチック・コメディの金字塔のような映画。

初めて観たのは当時滞在していたドイツ。殆どの上映作品と同様にこれもドイツ語吹替でした(何でも吹替のお国だったんですが今でもそうかしら…)。

帰国後改めて観たけれど、やはりあのメグ・ライアンのちょっと高い甘えたような声でこそ、あの軽妙な台詞のやりとりにしっくり合っている気がします。

シニカルで「チャラい」大学生だったハリーが、10年後に再開する時には大人の男性になって現れるんですね。別れた妻がいない寂しさを言葉にしたり、サリーと口喧嘩に発展しそうな時も素早く謝っていたり。クールを装っていた彼が結婚・離婚でどれだけ痛手を被っていたかがよくわかります。

片やサリーは同棲していた彼との別れにもポジティブ。一切後悔しない態度を貫きますが、その元カレの結婚の知らせを受けた時にはハリーに泣きすがってしまう程ショックを隠せない彼女。大人のフリをしていても未熟でピュアなままの内面が残っているのです。キャリアを重ねる女性の本音がもれる場面でもあります。

クリスマスから年末のカウントダウンに至る、独り身には「人恋しく」感じられる設定も十分なお膳立てになって、もうこれはハッピーエンドにならない訳がないでしょうとわかりつつ、お決まりの場面ではつい涙腺刺激されてしまう全くチョロいなと自分でも感心する次第。

当時最高潮に可愛かったメグ・ライアンが演じる女性の言動がキュートでいかにもハマり役。ここから続く「ラブコメの女王」のイメージはなかなか払拭できなかったようです。逆にこれを超える役に出会えなかったのは不運だったのかも。

それでもあの頃のキラキラした彼女と冬のNYの風景は、今の時期の風物詩のようにさえ思われるのです。