「きれいになりたい気がしてきた」

先日大学生の次女との電話での事。最近とみに顔のたるみが気になるので顔ダンスたらパックたら手を出している旨伝えると、「もう結婚してるのに何のために頑張る必要があるのか」という趣旨の事を言われました。ん…即答できずに何かモヤモヤしたままだったところに見つけた本書。

以前にTVでチラッとお見かけしてから気にはなっていた著者だったけれど読んだ事がなかったので良い機会です。Audibleで。

「きれいになりたい気がしてきた」ジェーン・スー 著

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女性向けファッション雑誌に連載中コラムの書籍化。40代も終わりを迎える著者が、肌も体力も気力も萎えてきそうなお年頃になり、「衰えてきた今だからこそ効かせ甲斐がある」と改めてスキンケアやボディメイクと向き合う事を通して、同世代が感じる日常の細々を彼女特有の切り口で語るエッセイ。

一時期40代前後の一般読者がお化粧やブランドの服を着こなし「美魔女」と称してファッション誌に登場していた事を取り上げ、恐らく10代20代から見ると「イタイ」とされていた可能性もあるが、それまでの「夫の為、彼氏の為、もしくはこれから出会う男性の為」ではなく、「自分が綺麗なりたいから」という理由で美に磨きをかける事を女性が宣言したハシリのように捉えています。

誰かの為ではなく自分の為に自身を磨いて底上げすることに前向きにさせてくれるようです。

仕事や恋愛に行き詰まる事の多い同世代に向けたエールのよう。文中にも「私たち…頑張っていきましょー」というメッセージ多かったですし。

しかし…およそ10歳の差があるからでしょうか。あまり刺さらなかったというのが実感です。

同世代を代表して物申す的ではあるけれど、公私共に恐らくは充実した生活を送り明らかに頭二つも三つも飛び抜けていると思われる彼女。「私のように生きてごらんなさい」といっそのこと振り切ってしまった方がもっとインパクトあるのに。いやもしかしたら本当はそう思っているのかも、などと意地悪な見方をしてしまいました。

並行して「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」も読んでみましたが、こちらも自虐ネタが続き本書と似たような印象。

多くのファンがいる著者。私もあと10歳若かったら「よくぞ言ってくれました」と思っていたのかしら…

それでも、未婚既婚を問わずいくつになっても「きれいになりたい」と思っていいし寧ろ楽しむ余裕が大事だというのは共感しました。早速次女への反論材料にさせてもらったけれど、あまり納得してもらえなかったようで…こちらはあと40年くらいすれば共感してくれるかな。