「さよならごはんを今夜も君と」夜食で繋がるストーリー

如何にも読みやすそうなタイトルで選びました。Audibleで。

「さよならごはんを今夜も君と」 汐見夏衛 著

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高校受験を失敗した小春は失った家族からの信頼を取り戻そうと、好きでもない部活をしながら塾へ毎日通い勉強だけが中心の毎日を送る高一女子。塾の帰り道に1件の食堂に出くわすが、そこは昼も夜も夜食を出す夜食専門店で、しかも学生はワンコインでいくらでも食べられるという店で、不思議な店主は優しい味のお夜食を作ってくれる。勉強漬けの暮らしに嫌気がさした小春は部活を辞め塾を休んで、この店でアルバイトを始める。

受験の失敗に端を発し、両親とのトラブルによる悩みを抱える小春。暖かい食事で癒してくれたこの「お夜食処」には、小春の他にも癒しを求めるように、小学生から大学生まで様々な客が訪ねてきます。

それぞれのエピソードで悩みや問題に沿ったメニューが提供され、それによって救われていくといったストーリー。

たまたまなのか最近こういう「ご飯もの系」多くないですかね…

最後に自分の問題を自ら解決しようと家で母親と向き合う小春。冒頭で味覚障害になるほど追い詰められている小春の描写が痛々しかった割りには、問題解決の流れがちょっと軽すぎるような気がしました。まぁハッピーエンドで終わるだろうな、とは思っていましたが。

他の登場人物たちの悩みも割と「浅め」。だからなのか結局それぞれお家に帰ってから解決したのか、話の行方が「回収」されていないのも何だか物足りない感じ。出てくるお夜食も「フツウ」で、さりげない「普通」の食事の良さを出したいのは分かるものの、「わ、美味しそう!」とならなかったのが残念(食い意地張っててごめんなさい)。

小春を主人公としたホームドラマと思って読めば良いのかも。実際テレビでアイドルが出演してドラマ化されてもおかしくないような印象があります。

そう言えばこの作者、大ヒット上映中の映画の原作者でもあるんですね。こちらはAudibleでは5月以降に配信予定との事。

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