「新!店長がバカすぎて」再び孤軍奮闘する書店員のお話を

続編どうしようかな、と思っていたけれどやはり手を出してしまいました。同じくAudibleで。

「新!店長がバカすぎて」 早見和真 著

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京子の憧れの先輩小柳店長の寿退社に伴い、宮崎の山奥に異動していた山本猛元店長が吉祥寺本店に店長として復帰。僻地での苦労を経験とし敏腕を振るう店長として帰ってきたかと淡い期待を抱くが、相変わらず人を苛立たせるだけの山本店長に落胆する京子。コロナ明けの書店内では、山本店長と同じく何を考えているのかわからないアルバイト生や社長ジュニアの来訪など、周囲の人々に振り回されつつ奮闘する京子に、店長昇進の話が持ち上がる。

前作はこちらです。

minonoblog.hatenablog.com

前作同様相変わらずドタバタ続きの書店員奮闘記で、これが好きな人達には高評価が得られているようです。しかし「お騒がせ」な展開はほぼ想定内のパターン。

タイトルに「店長」とあるので、店長のバカらしさがもっと前面に出て来ても良かったのでは。何より京子の店長昇進の話にあからさまに嫉妬心が出たあたり、ただの「仕事一筋空回り人間」から急に俗っぽさが匂われて少々残念な気がしました。掴みどころのないある種浮世離れしたところが面白味と思っていたので。

それでも京子が店長になればその俗っぽさが面白くなるのでしょうが、結局京子は辞退してしまいここでもしりすぼみな印象。

しかし「本」に対する愛情に溢れているのと、書店の裏側を覗いているような気になれるのが本書の良いところ。前作も含め、「本屋さんを応援してます」というエールが感じられます。

実写化されそうな勢いを感じるのだけれど、このままシリーズ化なんてのもあるのでしょうか。個人的にはすでに著者の他の作品に関心が移りつつあるのですが…