「店長がバカすぎて」

タイトルに惹かれてAudibleで。

「店長がバカすぎて」早見和真 著

https://m.media-amazon.com/images/I/818nJAbvyCL._AC_UL640_FMwebp_QL65_.jpg

Amazon.co.jp

谷原京子ば武蔵野書店の吉祥寺店に勤める28歳契約社員。時給は一向に上がらないのに仕事は激務になる一方。理不尽な客の応対から売上アップへの対策検討まで正社員と変わらぬ勤務内容に心身共に疲れる日々。しかし彼女の一番の悩みの種はあまりにも能力が無さすぎる店長の存在だった。

タイトルから想像する通りのコミカルなお話。未読だけど確か「書店ガール」など本屋を舞台にした小説はこれまでもありましたね。本書も書店員を経験した人なら「あるある」な点が満載なのでは。

Audibleで読んでいて申し訳ないなと思うほど、書籍や書店への愛で溢れているのも好きなところ。ページをめくるときの紙の匂い、私も好きですもの。

書店で働いた事はないけれど、30を目前に仕事や生き方に行き詰まる女性の感情は、既視感を持って読んでいました。

人によれば「ただ愚痴が多い」主人公かもしれないけれど、「愚痴でも言わなきゃやってられない」状況で、自分より目下のしかもこの間までバイトだったのに大手出版社に就職して立場が逆転した相手に対し、モヤモヤと複雑な感情を抱いたことを素直に話すあたり、とっても可愛いな、と感じました。自分が同じような状況にいた時にこの本に出会っていたら良かったな、とも。

てんやわんやなドタバタコメディの感じで進みつつ後半は「謎解き」も。しかし最後はアナグラム云々があり文字の並べ替えとなるとAudibleの限界〔というか私の聞き取りの限界〕で肝心の解き明かされる件が消化不良になってしまいました。ん〜耳より目で読んだ方が良かったかな…

余談ですがナレーションもやたら芝居がかった感じがちょっと残念な気もしました。

若干意味不明な点もあったけど、それを見越したような続編の存在。これも又読むことになるかな。