「無限大ガール」まるで漫画なスーパー高校生の活躍がひたすら楽しい

カバーのイラストに惹かれて。内容も同じくらいに可愛らしさ満載でした。Audibleで。

「無限大ガール」 森 絵都 著

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高校二年生の相川早奈は、両親から「長身」と「器用さ」を受け継ぎながらどこの部活にも所属していないものの、頼まれれば今日はテニス部、明日は水泳部、園芸部に写真部と、臨時の助っ人として参加し、「日替わりハケン部員」として引っ張りだこで活躍する毎日。そんな早奈に今度は演劇部から、秋の文化祭でのミュージカルで主演予定の女子が演出家ともめて急遽降板した為、その代役を務めてほしいとの依頼が。しかしその演出家は昨年早奈をフッた元カレ。依頼を受けるか悩む早奈だが…

昔、「ハケンの品格」という、何でも器用にこなすプロフェッショナルな派遣社員が主人公のドラマがありましたっけ。本作を読んでいると、OLと高校生で設定に差はあれど、「頼まれた仕事は引き受け完遂する」という点で見事に一致するカッコ良さ。

あまりに何でもできるスーパー高校生ぶりに、出だしから漫画を読んでいるような軽快さです。

快調な滑り出しから恋のお悩みも混ぜつつ、でもやはりスーパーガールぶりは健在。

あまりの都合良さにツッコミたくなる事もしばしばあり、幾ら何でも「全部夢でした」で終わるのかな、と思いきや最後まで「都合良く」走りきった高二女子。まさに無限大の可能性を秘めた主人公なのです。

自己否定やら内面との葛藤やら、難しい本や映画に触れた後にこういうのを読むと何だか妙に救われたような気がするもの。たまには頭も心もカラッとさせてくれる作品に会って、元気を貰うのも良いなと感じました。現実はこんなにハッピー&ポジティブとはいきませんもの…などと言ったらこの無限大ガールに叱られそうですが。