大好きな「芸術新潮」で「らんまん」のモデルの植物愛に触れる 

NHKの朝ドラ、夫共々在宅勤務が始まったあたりからほぼ時計代りに観る毎朝。色々ツッコミたい時もありながら、無職になった今も8時になったら申し合わせたようにTV付けてます。

現在放送されている「らんまん」、今のところ不満?も無く(浜辺美波ちゃん可愛いし)平和に観ています。

神木隆之介クンが演じる主人公のモデルとなっているのが、植物学者の牧野富太郎先生。小学校中退ながら人並み外れた植物の観察眼と探究心、そしてその写実力で「日本植物学の父」と呼ばれる人物です。芸術新潮7月号で特集されていました。

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ドラマでは先祖代々の酒蔵の後継息子ながら植物に魅入られ家業を身内に任せ上京、ひたすら植物学に邁進する姿が描かれています。

お金に無頓着な主人公を神木クンが実に天真爛漫に演じているのですが、それにしても生活費どうしてるのかな?と度々疑問に思っていた私。

実際の牧野博士も酒造を営む実家の一人息子、故郷の家を整理した後は借金を重ねながら研究に没頭したらしく、生活は貧窮甚だしかったそう。博士の研究に深い理解を示した妻とその死後は娘達の支えが大きかったようです。

東京と高知を行き来し、植物の採集と分類に没頭し、著作物を刊行。約1400種の植物を新種として正式に記載した博士。94年の生涯をひたすら植物に捧げた成果ですね。

ドラマでも度々フォーカスされる、まるで画家なみの写生技術はまさにアート。これだけの精図を描き解説文も綴れる者は他に無い、と自ら雑誌内で言及しているのももう納得しかありません。

ただ研究に打ち込むあまりなのか持って生まれた性格なのか、「物言い」に癖のあった方だったよう。生物は生殖の為に生きているのだから結婚しない者は「人間社会の反逆者」だ、などと今ならコンプラ問題に発展しそうな過激コメントも。

しばしば年長者をも敵に回すような無鉄砲な発言があっても周囲と交友が絶えなかったのは、植物に対する謙虚で真摯な姿勢が一貫していたのかもしれません。

今回の特集では高知にある牧野植物園も紹介されており、周りを囲む自然と共に是非とも訪れて牧野博士の植物愛に触れたくなりました。