ネットでお馴染みの成田悠輔先生の本を読んで改めて民主主義のお勉強

今、人気の方です。YouTubeでたまたま見かけて以来、そのイケボと反比例するような歯に衣着せぬ言動がインパクトありすぎて最近TLにほぼ毎日上がってきています。

しかし本著は私ではなく、夫が買ってきたもの。私がよく著者の名前を口にしたからかも。

「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」成田悠輔著 

 

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる(SB新書)

画像引用:honto.jp

日頃ネットで著者が言っていることをまとめたものなので、今更驚く事でもないのですが文字でみると結構エゲツない(笑)。

高齢化の社会において、マイノリティーである若者がいくら選挙に行っても世の中は変わらない。所詮、マジョリティーである老人の好むメッセージや政策が支持されるのだから。結局のところ実質的に社会にコミットしていない高齢者に(若い人と同様に)投票権があるのはどうなのか…

あぁそれは言っちゃっていいのか。でも言っていけないと思われることは、世の中大半の人が口に出さないだけで密かに頷かれ論理的に正しい事が多かったりします。

YouTubeの番組でも「高齢者は老害になる前に集団切腹を」など過激なコメントが目を奪われがちですが、要は70代、場合によっては80代になっても要職に就く経済界や政界、そしてそれを(内心そうは思っていなくても)ごく当たり前のように受け入れるむしろ周りの人間に問題があるから、真の世代交代ができないという問題が起きている現状に一石を投じているのです。

限りなくシニアに近い(既にシニアかな)の自分からすると耳の痛い話題ではあるけれど、一定年齢が過ぎると気力、体力ともに衰えるのは否定できないところ。私のようなさしてスキルのない一事務員は無理だけれど、知恵と経験のあるシニアなら一線を退いた後でもアドバイザーとしてその知識を活かせるのでは、と思うのですがそれほどうまくはいかないのでしょう。

さて、本著は高齢化というよりタイトルにあるように民主主義のあり方がメインテーマ。

市場競争を促進して富を繁栄させる資本主義と、自由で公正な選挙を元に選ばれた人や政策で政治が行われる民主主義。近代国家の柱はその両方である筈なのに今や民主主義は機能していないばかりか、両輪の片方である資本主義の足を引っ張る形となっている。

著者はデータ分析を基に様々研究するのが専門なので、以上の事も勿論データを見た上での著者の意見。

と言っても批判ばかりではありません。最後にはそのデータを更に明確化、細分化する事で、選挙よりももっと本当の「民意」を反映させた政治ができるのでは、と「選挙をしない民主主義政治」まで提案しています。

数字のみを追った極論ばかりのようで、問題の核をついていると思えます。なかなか面白い本でした。伊達に変なメガネをかけた先生ではないですね。多分当分は成田ブームは続きそうなので関心のある方は一度YouTubeで彼の毒舌を楽しんで見てください。