「スイートホーム」山手住宅地洋菓子店の甘いホームドラマ

腰痛(ギックリ腰という奴みたいです)で室内でも匍匐前進移動しています。あぁ辛い…しかし腰以外は元気なので、寝床で本とアマプラとDuolingoだけが友達。こちらは久しぶりの図書館で借りた文庫本。返却遅れるなぁ…

「スイートホーム」 原田マハ 著

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阪急沿線山手の住宅地。元宝塚のホテルでパディシエをしていた父親が自宅を改造して作った小さな洋菓子店「スイートホーム」。静かで寡黙だが丁寧な仕事と対応の父親、自称「看板娘」の母親、引っ込み思案だが優しい長女、明るく物怖じしない性格の次女の家族四人がいる香田家が営むスイートホームは、「スイホ」の愛称で街でも評判の洋菓子店。色とりどりで美味しいお菓子もさることながら、親子の人柄が表れるその接客も人気の所以であった。

阪急沿線の宝塚。その住宅街に構える家族経営の小さなケーキ屋さんが舞台。関西人ですから読んでいるだけでどれくらいお洒落で上品な住宅地か想像できます。しかもマンションなどではなく戸建住民が集うというのですから、これはちょっとクラスの上の人たちが登場するんだな、という印象。ちなみに本作に出てくる「スーパーオアシス」は阪急沿線に実際あるチェーン店で、馬鹿高くは無いものの何となく「マダムがお手頃値段でお買い物する所」というイメージでしょうか。

そんなところが舞台なのでどことなく現実味が薄いのも否めません。誰もが屈折したところのない優しく品のある人々。少し前のホームドラマのような雰囲気なんですね。舞台が洋菓子屋さんだからこれくらいふわっと甘いお話があっているのかもしれませんが。

どこかで「ひねり」がくるかなと待っていたけれど、最後まで直球正統派のホームドラマで攻めて来られた感じ。

結婚してすぐに山手に家を建てられたり、将来二世帯を見込んで庭付き暖炉付きの家にしたり…もうお話の内容が頭に入るよりその豪華さが羨ましくて仕方ありませんでした。

しかし母校が登場したり、偶然にもウチの娘たちの名前が登場したり(読み方は違うようでしたが)、親近感を覚えたのも事実。宝塚住宅地の洋菓子店で常連になるのは憧れのままですけれど。