「スピン」期間限定の雑誌で本の良さを改めて感じる

今日実家に帰っているのですが、先日本屋で手にしたこれを連れてきました。久しぶりに「紙の」本を読んでのんびり読書するシアワセ。

「スピン」

スピン/spin

引用:河出書房新社

2026年に創業140周年を迎える河出書房新社が、その記念企画として発行したのが、16号限定の季刊誌「スピン」。

スピンとは、本のはじについている栞の紐を指し、日常に「読書」という栞を届けたい、という趣旨が込められているそうで、作家恩田陸氏がその名付け親との事です。

ジャンルに拘らない様々な読書を体験してほしいという作り手の思いを映すように、短編やショートショートの読切や連載の小説から短歌に関するエッセイまで、(そんなに詳しくない私でも)あ、この人も!と思うラインアップです。

中には連載の予定が締切に間に合わず、エッセイに変更しちゃった中村文則氏なんてのも(笑)。

今では入手しづらいけれどおススメの本を紹介してくれる「絶版本書店」という嬉しいコーナーもあります。しかし読後にチェックしてみると、既にAmazonに出品されている本も… 早速本雑誌の影響でしょうかね。

このデジタルの世の中、しかも古くからの雑誌が次々と休刊になる中で、「敢えて」紙媒体雑誌で勝負する作り手の気概を示すように、表紙・目次に毎号違う紙を使用するという拘りも見せています。

「視覚・触覚の両面からの紙の違い」を読者に体験させようとする意図通り、見た目も触り心地もどこか懐かしさを感じさせます。

ちなみに創刊の本号は表紙・目次共に現在庫限りの紙素材。しっとりくすみのあるオフホワイトの紙が目にも手にも馴染んで嬉しくなります。レトロな雰囲気なのは、希少価値の素材を使っているからでしょうか。

Audibleや電子書籍のお陰で、個人的に読書の幅が広がった事は実感しており、そのメリットは勿論認識しているのですが、こうして作る側の思いが伝わる本に出会うと、又アナログの良さが再認識されるような気がします。

NHKの朝ドラでも、今週からあの又吉先生が古本屋の店主で登場しましたね。ひょっとしたら「本ブーム到来」になるかな?