「パリタクシー」でパリの街をドライブした気分に浸る

怒涛のごとく過ぎたGW。振り返るとなんだかんだと出歩いていて忙しい毎日でした。ブログは下書きだけが溜まっていって全く更新しないまま。一つずつアップしていきます。先ずサービスデーに用事の合間に観た映画を。

「パリタクシー」(2023年)

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パリの街を走るタクシー運転手のシャルル。休みなく働いても金はなく免停寸前。ある日92歳で一人暮らしの女性マドレーヌをパリの向こう側の老人施設まで送る仕事が入る。施設に入る前に寄り道をしてほしいと言われ、いろいろな場所を訪ねる度にマドレーヌの意外な過去を知るようになる。

テンポの良い会話、お洒落な街並み、上品なマダムに無愛想だけれど心優しい中年運転手。フランス語の響きも手伝ってとても「居心地の良い」作品です。

「意外な過去」と書きましたが、「波瀾万丈」と言っても良いくらいマドレーヌの人生は壮絶な出来事の繰り返し。

淡い出会いも悲しい別れも、全ての経験を時にユーモアを交えながら淡々と語る彼女を見ていると、こんな風に歳を重ねることが出来れば、と切に思うくらいとても素敵なおばあちゃま。演じる女優さん(リーヌ・ルノー)も撮影当時93歳だったそうで、こんな溌剌とキラキラした90代がいる事に俄然元気をもらえます(自分がこんなお洒落なマダムになれるとは思えませんが。。)

対するタクシー運転手もなかなか味のある存在。ぶっきらぼうでどうも色々と不器用そうなのだけれど、最初は面倒臭がっていたマダムのお相手も結局は親身に対応したり、高校時代の憧れの女の子と結婚して以来ずっと奥さん一筋な、フランス男と思えないような純情な一面を見せたりと、ほのぼのと「良い人」感が出ています。

自由で自己主張の国のイメージがあるフランスでも、女性には非常に生きづらい時代があった事がうかがえる場面があり、そこで戦ってきた彼女たちがいてこそ今の権利がある事を再認識させられます。ストーリーの中ではそこも強い主張だったと思いますが、ゴリゴリにそこばかり強調しなかったのも、かえって印象として強く残った気がします。

ところで本作メインになるドライブシーン、(高齢の女優を乗せて街中をドライブするのは体力的に厳しいことを鑑み)実際に街中で車を走らせたのではなく、全てスタジオ撮影だったそう。渋滞の凄そうなパリの市街地での撮影すごいなと思っていたのですが。。すっかりダマされました(笑)

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それでもシャンゼリゼ通りや凱旋門など、自分もパリを観光しているような気分にもなれてちょっとお得感も。いや、やっぱり実際行ってみたくなりますね(思うツボかな)。