「ドント・ウォーリー・ダーリン」砂漠の中の完璧なコミュニティーは夢か現実か

仕事帰りの長女と映画館で待ち合わせるシリーズ第二段。今回も冒頭15分くらい見逃しての鑑賞。やっぱり次回からは別々に入りますか…

「ドント・ウォーリー・ダーリン」

美しい住居、贅沢な暮らし。主婦として完璧な生活をおくるアリス。夫ジャックと共に何不自由ない毎日だったが、ある日飛行機の墜落を目撃し、運転手の制止を聞かず墜落した方向へと向かう。それはコミュニティーのルール「行ってはいけない場所」だった。その日以来彼女は奇妙な現象を目にするようになる…

主役が「ミッド・サマー」のフローレンス・ピューである事しか知らないまま観た本作。予想通り様々な現象に追い詰められ、パニックになる彼女の視点でストーリーが展開していきます。

主人公夫婦が住むのは、ショッピングや娯楽などすべて敷地内で済ませられる大型高級住宅エリア。男性は全員何かしら同じ「プロジェクト」に携わり、女性は皆「専業主婦」。夫を送り出すと家の隅々まで掃除し、昼間は買い物や習い事に勤しみ、夜は手料理で夫を出迎える、という保守系の人から見れば「理想的な家庭」。

でも見方を変えれば、女性たちは檻の中に閉じ込められているとも言える訳です。

ではこの「約束された生活」を捨てて逃げ出す事は、本当に求めている暮らしなのか?

「あなたさえいればいい」と結婚相手には言うものの、暮らしが荒むと愛情も冷えてしまう…そんなリアルなところも映していて、単純ではない人間の心理を考えさせられます。

とは言っても、映画全体的に「どこかで観たことある」気持ちにさせる場面が多くて、スリラーのレベルも高くなく、そんなにハラハラすることもなく観終わってしまいました(カーチェイスや追いかけっこはあるんですけどね)。

セクシー可愛いフローレンス・ピューは、本作でも泣き叫び追い詰められていく妻を熱演。

それよりもハリー・スタイルズが出演しているのを知らなくて、ちょっとビックリ。娘と二人へぇーと顔を見合わせてしまいました。なかなか頑張ってましたね。ラブシーン多めでしたけど。

当初の主演が急遽降板したり、代役に決まったハリー・スタイルズが監督(兼出演女優)と交際に至ったりと、何だかゴシップが多い作品だった事は後で知りました。

でも勿論そんな騒動を知らなくても、そこそこ楽しめる本作。50年代のアメリカを想定したようなファッションやインテリアもカラフルでお洒落。そして時にグロテスクに見えるのも面白いところですね。