1%の努力

私に取って初のひろゆき本。耳読です。

https://www.amazon.co.jp/1-%E3%81%AE%E5%8A%AA%E5%8A%9B-%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%82%86%E3%81%8D/dp/4478108498

努力や頑張ることが尊いとされていた時代や世代に対するアンチテーゼ。固定観念に囚われることなく発言している(ように思われる)いかにもひろゆき氏らしい、という印象。Amazonでは辛口コメントも有りましたが結構面白く読めました。

本書でも引用されている「天才は1%のひらめきと99%の努力」というエジソンの名言。後世「たくさん努力しなきゃダメ」と解釈され広まったようですが、実は「1%のひらめきがなければどんなに努力しようと無に終わる」というのが真の意味。自分で生み出すアイデアもなく闇雲に頑張ったって意味ないよ、ということですね。

議論で相手を論破し他人に対して「馬鹿」呼ばわりする著者に対しあまり共感できずにいたので、こう辛辣に言われると少し釈然としない気分になったのは事実。でも指摘するところは一理あると思わざるを得ないのは、頑張っているだけではどうにもならないケースが多くあるのは事実だから。

「頑張る」って殆どの場合自己申告で使われるからそう言われると「あぁそうですか」としかなりませんよね、結果が伴わなくても。多くの時間と労力を費やしたのだからそれは報われて当然だと思いたい。でもそれって本当に頑張っているのか。何も考えずに自分で工夫することも無しにただ「こなして」いるだけかもしれない。それを報われないと不満を持つならいっそ著者のように「僕、頑張るの嫌いだし楽に生きることしか考えてません」と独自のスタイルを取るか、というとそんな勇気もない。著者から見ると私もそんな「馬鹿」の一人なんだろうな、と感じます。

ただ本書でも言っているのは誰もがスペシャリストというかアイデアマンになる必要はなく例えば人との調整に長けている人はそこを伸ばせば良いし、そこで自分が幸せになる術を得られれば良いという事のようです。ひろゆき氏も自分はアイデアを出す人間ではなく、ヒトの出したアイデアをより良く活用できるようにマネージするのが得意、と言っていました。要するに努力しなければという考えに囚われる必要はないし、逆に努力さえしておけば何とかなるという時代ではない、ということですね。

年功序列や定年制は無くなると言われて久しいですが、かく言う私も定年までいられず退職した身なので、世間の厳しさは身にしみて実感しています。これから自分ができることは限られているかもしれませんが、「努力しているつもり」「頑張っているフリ」で終わりたくないので固くなった頭でもう少し考えてみようと思います。