「「80歳の壁」を越える食事術」好きなだけ食べて体力・気力十分なおばあちゃんを目指す

以前読んだ和田秀樹氏の「80歳の壁」

minonoblog.hatenablog.com

高齢者になったら、何でも好きに生きてストレスフリーに暮らして生きましょう!と言う内容でした。

今回は「食事」を通し、いかに健康的な生活が送れるかを、リハビリテーション専門医である著者(和田秀樹氏ではありません)が、生活面での具体的なアドバイスを示し解説する一冊です。

「80歳の壁を越える食事術」 吉村 芳弘 著

https://m.media-amazon.com/images/I/51kw6qG0bVL.jpg

Amazon.co.jp

食事管理というと、「飽食」と言われる今の世の中、カロリー制限や糖質・脂質オフなどが連想されがち。

しかし著者は、ダイエットで体重を抑えようとするのは遅くとも65歳まで。それ以降は逆に「体重を減らさない」努力をすべしと説いています。

加齢により自然に食事量は減ってくるもの。そこへ従来の「油物は控えなくては」「甘い物の食べ過ぎはダメ」などの考えに縛られると、必要な栄養素を十分に摂取することができず、体力・筋力共に低下、気力も衰え食欲も減り、介護を要する状態になってしまうリスクが高まることが指摘されているのです。

最新医学の研究によれば、上記の理由からたとえ糖尿病であっても、高齢者においては「治療よりも栄養が優先」され食事を制限しない方法が推奨されているそう。

高脂血症や高コレステロールなど、何かと食事に制限のかかる事の多い中高年にしてみれば、「何にも気にしないで食べていいなんて」と言いたくなるもの。

しかし65歳を超えその先の10年、20年を見据えて「本当の」健康体を維持することを望むのであれば、寧ろ肥満や血糖値を気にしないで好きなものを好きなだけ「食べたもの勝ち」が良しとされるようです。

例えば野菜メインの食事は「ヘルシー」と謳われがちですが、高齢者にとっては野菜の入った味噌汁よりも、タンパク質を摂取できる豚汁がベター。

朝食もあっさりパン食ですますより、食べられるならステーキが理想的なのだとか。

勿論これら全て重度の疾患のある場合は例外となりますが、細かいことにこだわらず、コンビニの惣菜や缶詰を使ったり、濃い味付けにしてもいいので、とにかく「食べる」事を優先させるのが大切なのだそうです。

そして食事とは離れますが、高齢者ほど多くの薬剤を処方されている現状にも苦言を呈されています。

高血圧や糖尿病の予防薬が処方され、その副作用に別の薬の処方が重なり、どんどん薬が増えていく患者。

本当に現在の薬は必要なのか、減らすことはできないのか、正直に相談できる医者をかかりつけ医とすべき点を先ず挙げつつ、もしできないなら薬剤師に聞いてみることもアドバイスされています。

実母と同い年の義母は足腰達者で特にお医者にもかからずしかも食欲も旺盛。食べることってやっぱり大事なんだとつくづく思うこの頃。

一方現在一人暮らしの実母は既に要介護1レベル。今から著者の言う「フレイル予防」にはもう遠く及びませんが、それでも「たくさん食べて」少しでも元気に暮らせるように今後も気を配りつつ、我が身の体力維持を振り返るにもいいタイミングの一冊だったと言えます。