「私がやりました」フランス語の響きに酔いながらコメディを楽しむ

去る映画の日に観たもう一本の作品。意図的にフランス映画を続けて選んだけど自分としては「アタリ」でした。

「私がやりました」

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映画.com

パリの豪邸で有名映画プロデューサーが殺害され、容疑者として連行された新人女優マドレーヌ。身に覚えのない事件だったが、親友で弁護士のポーリーヌと共謀し本件を利用して有名になろうと目論む。正当防衛を訴えるポーリーヌの弁論と感動的なマドレーヌのスピーチで裁判官や大衆を味方につけたマドレーヌは、無座になったばかりか一躍時の人となりスターの座を獲得。首尾よくリッチな生活を送る二人の前にかつての大女優オデットが現れ、件のプロデューサー殺害は自分が真犯人だと名乗る。

ストーリー的には下敷きとなった戯曲があるらしいけれども、自分としては事件を使ってのし上がろうと企てるシンガーを描いた「シカゴ」を思い出させます。こちらはミュージカル要素はないけれど、ミュージカルにしてもいいくらいのテンポの良いコメディです。

時代は1930年代。フランスと言えども女性の地位はまだまだ低い時代。そんな状況を逆手にとり「女である事」を武器にしながら突っ走る彼女たち。逞しいではありませんか。

冒頭から会話の応酬で字幕がないと全くわからなかったけれど、フランス語の響きが好きな私としては幸せな時間でした。

何と言ってもイザベル・ユペールが、「昔は有名だったけれど今は全然売れていなくてそれでもコアなファンはそこそこいるプライドの高い大女優」を何とも楽しそうに演じているのが楽しい作品。たまたまなのかもしれないけれど最近彼女をちょくちょくスクリーンで観るので、それも凄く嬉しいです。