「気にしない力」たくさんの人が「気にしている自分」を気にしていることを改めて知る

本屋さんに平積みされていました。売れてますね。試しに聞いてみることに。やっぱりAudible、お手軽で助かるわ。

精神科医Tomyの気にしない力」 精神科医Tomy 著

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存じ上げなかったんですが、YouTubeやVoicyで人気の方なんですね。前知識無しで聞き始めると、いきなりオネエ言葉で驚いてしまったけどw

「気にしている事を気にしなくていい」「そもそも気にするほど他人はアナタの事を気にしていない」「たいていの心配は的外れ」「他人に振舞わされないように自分軸をしっかり持っておく」などなど…

書かれている内容は特に目新しいものはなく、どこかで聞いたメッセージが続きます。

では何故この本が売れているのでしょう。

著者はゲイの精神科医。本書には出てきませんが、自身のセクシャリティーに関する葛藤や、最愛のパートナーの死など様々な経験を経て、精神科医として患者さんと向き合う日々。いろいろな治療法がある中、薬物療法よりも「言葉で人を助けたい」と言う思いがあった、と別のインタビューで答えられています。

医師と言うよりも人生経験の豊富な一人の人間として患者に接している著者に、悩みや辛さを吐露したくなるのはわかる気がします。

そしてその著者のアドバイスなら素直に聞くことができる、と言うことなのかもしれません。

オネエ調の話し方であるせいもあって、終始フランクでオープンな印象。お医者さんぶったところがないのも「ウケる」のでしょう。マツコ・デラックスを優しくした感じがしなくもないです。

結局癒しや慰めを求めている人が多いという事なのでしょうか。一冊読み終えて「気にしない力」がついたとは言い難いけれど、かと言ってつまらなかったとトゲトゲした気持ちにもならなかったし、それなりに面白く感じたのは著者の人徳なのかもしれないとも思えてきました。

具体的なアドバイスはいろいろありましたが、最終的に「健全な自己愛」を育て「自分軸」をしっかり持つ事で、他人と比較することのない自分になることができる、のですが、一長一短にはできないので日々の積み重ねが大切との事。

自己愛、自分軸、自己肯定感… 簡単に身につかないから、絶え間なく啓発本が出てくるんでしょうね。