「レディ・マクベス」

引き続きフローレンス・ピューの出演作を。初主演映画です。アマプラで。

「レディ・マクベス

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映画.com

19世紀後半イギリス。17歳のキャサリン(フローレンス・ピュー)は裕福な商家に嫁ぐが、年の離れた夫は彼女に関心を示さず肉体関係を持たない。意地の悪い舅はキャサリンに外出を禁止し、広い屋敷で退屈な日々を送っていたキャサリンは、夫の留守中に使用人のセバスチャンと関係を持ってしまう。昼夜を問わずセバスチャンとの逢瀬を重ねるキャサリンは、次第に大胆な行動を取るようになる。

精神的にも肉体的にも満たされない女性の不倫映画か…と思いきや、彼女の行動は予想をかなり裏切るほどに大胆になっていきます。

周囲の目も御構い無しに昼間から使用人を部屋に連れ込むキャサリン。彼女らの関係は屋敷内だけでなく遠く離れた出張中の夫にも知れてしまうほど。自分の欲望にのみ純粋かつ忠実になる彼女は「障害」となるものを一つずつ「排除」していきます。

それほどまでに使用人との愛に狂ったのか、と思わせながら、狂ったように求めていたはずのこの使用人でさえ最後には見捨てるキャサリン(その前に彼女の暴走に怖気付いた彼の裏切りはあったのですが)。

嫁いできた当初は広い屋敷で所在無げに頼りない様子だった彼女が、使用人との関係によって解き放たれたように太々しい女性に変貌していく様がじんわりと伝わってきます。

結構えげつないシーンが多くて後味は良くなかったのですが、当時まだ20歳とは思えないフローレンス・ピューの圧倒的な存在感がとにかく目立った作品。この後たて続けにいろいろな監督に声をかけられるようになったのがわかる気がします。