「お金の増やし方」で目指すは、FIREの向こう側にある「本当に豊かな暮らし」

お金のお話です。サクッとAudibleで。

「ジェイソン流 お金の増やし方」厚切りジェイソン 著

『ジェイソン流お金の増やし方』のカバーアート

一時期”why!”とやたら熱弁する系の「ガイジン芸人」でお馴染みだったけど元々はIT企業の役員である著者。今は資産運用や節約のアドバイザーとしての方が有名ですね。

最近は副業容認の企業も多くなり国もNISAやiDeCoといった個人の資産運用を推進しており、従来の「お給料貰っていれば大丈夫」の考えに警報をならされているのを実感します。 その一方で日本では投資と言うとまだまだ「ゼニ儲け」的な悪いイメージを持つ人が一定層いるのが現状。 そんな微妙なジャパニーズの心理を踏まえて、資産運用の大事さを本著で解説しているジェイソン氏。

早期リタイアのFIREが流行りだからなのが、本著も凄く売れてるようですが、資産運用のテクニックは主に後半で、冒頭から家計の見直しと節約の仕方が。 細々した事はこれまであった節約術と差異はないように思われる一方で、「実践している」のは凄いと素直に感心します。

面白かったのは、家計の見直しや資産運用の下りが、勝間和代氏とよく似ている事。徹底的にムダを省いて、必要費用以外は運用に回す(ジェイソン氏は生活費の3ヶ月分をキャッシュで残し後は投資に回すべし、と)。

2人とも勧めているのはドルコスト平均法投資信託。違うのは勝間氏が世界全体を対象としたインデックス推しであるのに対し、ジェイソン氏は米国インデックス一択。いずれにせよ中長期的な投資なので株価が変動したからと言って慌てて売却せず保持する事が重要とも。

本著の指摘にもあるように、節約でも資産運用でも継続していくには、家庭内で価値観が共有されている事が大切。「何にお金を使うのか」「何の為にお金を貯めるのか」の考え方にズレがあると結構大きな衝突を生む事は経験上大きくうなづけるところ。

既に家族が一生困らないくらいの資産は蓄えているという実に羨ましい著者ですが、資産運用は決してFIRE自体が目的ではなく、あくまで家族が金銭的に困らず幸せに暮らしていく為の術だ、との事。 ここが結構肝だな、と個人的には思います。暮らしを豊かにする為の資産運用が、お金儲けの為のお金儲けになってしまう事への危惧ですね(まぁそれでいいじゃんと言う人もいるでしょうが)。

以前ホリエモンYoutubeで、「自分の母親は田舎のマンション経営に興味があるようだが、そんな蓄えが出来たからと言って、引き篭もりの年寄りみたいになってほしくない、ボランティアなど積極的に外とのコンタクトを取るようになってほしい」と言っていました(意外に親孝行でびっくりでしたけど)。

これは多少極論にも思われますが言いたい事は何となくわかるかな、と。引き篭もりとまでいかなくても、折角やりくりして資産目標額を達成してもリタイア後の生活を充実させられないと勿体無いですよね

かく言う私ももうリタイア世代。豊かな老後を実現すべく、夫とはお金の話を更にオープンにそして平和にやっていきたいと思います。