「ほろよい読書 おかわり」読むうちに飲んでる気分になれる本

Audibleに会員登録して以来できるだけ耳読書をするようにしてはいるものの(会費が勿体無いので)、やはり文庫本の魅力には抗えない時もあります。特に新幹線などの長距離移動中など。何気に選んだけれどとっても良い一冊でした。いや、やっぱりタイトルに惹かれたかな?

「ほろよい読書 おかわり」

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文字通りお酒にまつわる短編集。書店で手にした時は知らなかったけれど、この「ほろよい読書」は2年ほど前に既に刊行されていてこれは第二弾。だから「おかわり」なんですね(第三弾のタイトルはどうするんだろう…)。

バーで、自宅で、居酒屋で。様々なシチュエーションで異なった背景の人たちがグラスを傾けながら織り成す物語。青山美智子や一穂ミチなど既に何度か読んだことのある作家から西條奈加といった「前から読んでみたかった」著者まで一度に味わえる、私にとては本当に「美味しい」一冊。

一篇目の「きのこルクテル」は下戸でも飲めるノンアルコールカクテルが出てくる、青山美智子らしい誰も傷つけない優しい味わいの作品。

あわや復讐劇か、と思わせた「オイスター・ウォーズ」はカラッと後味良く仕上がっており(生牡蠣でワインが飲みたくなりました)、三遍目は意外なオチがついてあぁ著者は一穂ミチだったよな、と思わせた作品。

個人的に一番好きだったかもしれない「きみはアガベ」はキリキリと胸が痛くなる想いがしたし、最後の「タイムスリップ」では一緒に居酒屋で飲んでいるような気にさせられました。それぞれの作家の他の作品も読みたくなるのが短編集の良いところですね。

いずれも悪酔いするような深酒には至らず、ほろ酔い気分になれるようなお話です。

読んだ後きっと「一杯」飲みたくなるはず。

今回も新幹線の長旅の間本作を読みながら「降りたらビールだな」と考えていたのですが、駅でタイミング良く合流した娘と結局スタバで可愛くお茶して帰りました。ちょっと残念?でもこのブログをグラスを横に置きつつ書いたので成就したという事で…