一つ良かったら続けて同じ著者で読みたくなるので。今度もAudibleです。
「君と会えたから…」喜多川 泰 著
画像引用:Amazon.co.jp
本や映画は出会いのタイミングが大事だな、とつくづく思います。この本も「今」でなければあまり心に残らなかったかも。
喜多川泰シリーズの自己啓発本。若い高校生の恋愛小説のようで、しかも一方は病弱で…となると何となく良くある設定に、「いやこれは幾ら何でも…」と割と斜めから見る気分でした。偉そうですね、スミマセン。
たくさんの好評価があるように、肝心の「自己啓発」のエッセンスは素直に理解できて、静かに感動もできます。「命の尊さ」が教える設定がそこまで「ゴリゴリ」に感じなかったのは、「思いもかけず大事な人がいなくなる」というのは現実に起こりうるのだ、という事を実感しているからなのです。つい先日も悲しい事件があったばかり。
今日いる人が明日もいるとは限らない、今あるものを当たり前と思わずに生きよ、というのは震災の頃にもよく言われていましたね。人はついそんな大事なことを忘れてしまいがち。本を読むことでまた思い起こさせてくれるのは、ありがたい事です。
本著では無気力に過ごす高校生の男の子が一人の女の子に出会い、彼女から生きて行く上での「大切な事」を学んでいきます。それは大人にとっても、勿論人生のガイドとなるべきものでしょう。
「自分の本当に欲しいものを知る」「夢を実現させる方法を知る」「経済的成功の真実を知る」「魅力あふれる人になる」「手段を目的にしない」「できないという先入観を捨てる」「人生において決してできないことはない」
文字にすると実に説教くさい(笑)。でもそうならないのはこれが実は「親から子供に贈る人生の道標」でもあるからです。
本著で「命へのリスペクト」と並んでもう一つキーになるのは、親から子への想いではないかなと思われます。
充実して幸せな人生を過ごして欲しい、でも最後まで見届けてやることは叶わないので、せめて心に思うことを伝え残してやりたい、とする親の気持ちですね。
ここでは「父親と娘」が大きく占めているんですが、この「父親にとって娘は特別」というコンセプトは揺るがないものなんでしょうね。お母さんも登場するんですが、何と無く存在が薄かった印象が。自分が「母親」なので投影して見てしまうからですかね。。
若い頃に読むと印象も間違いなく変わるのでは。そう言えば以前「君の膵臓をたべたい」を映画で観た娘が「号泣した!」と言って帰ってきましたが、私が原作を読んで泣いたのは主人公が亡くなる前に親に宛てた手紙の場面。親の立場で読むからですね(娘の泣き所は聞いてませんが多分全く違うでしょう)。
本著も娘が読むと号泣するのかな。今度勧めてみよう。