「アバウトタイム 愛おしい時間について」繰り返すタイムトラベルの中で見つける本当の幸せ

以前から気になっていた作品。日本語字幕が無かったので音声のみで頑張れるかなと思ったけどあっさり吹き替えに切り替えて鑑賞。復路の機内で。

「アバウト・タイム 愛おしい時間について」

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映画.com

イギリス南西部の海辺で暮らす青年ティム(ドーナル・グリーソン)は自分に自信が持てず彼女も出来ずにいるが、21歳の誕生日に代々男だけがタイムトラベルできる能力を持つ家系である事を父親から教わる。やがてメアリー(レイチェル・マクアダムス)という女性と出会い恋に落ち、何とか恋人にしようと自身の能力を用いて悪戦苦闘するが…

好きな女性を射止める為、世話になっている家主を助ける為、妹を救う為、ありとあらゆる場面でタイムワープを繰り返しては都合の良いように状況を変えようとするティム。あまりの御都合主義に「そこまでタイムスリップして世界は混乱しないの?」と思った程。中盤まではまるでドラえもんにタイムマシンをおねだりしては乱用するのび太を思わせます。

しかしこの一見破茶滅茶な行動を、真面目なイギリス人が更に生真面目にやっているところが何とも可笑しいところ。

散々能力を行使した後で、タイムトラベルのルール(?)を父親から改めて聞かされて驚くのも、主人公の人は良いけれど間抜けな性格がよく表れています。

どんなにリセットを繰り返そうと、結局人生は何気無い「普通の」毎日の繰り返しで、だからこそ一瞬一瞬が愛おしいという結論に至るティム。

イギリス人の気質なのか、家族の結びつきを大切にする場面がよく観られ、特に父親と息子の関係が本作の主軸にもなっています。

説教くさい訳でもなく、サラリとしながら互いに深く思いやっている親子の間柄が会話や行動、そして最後のシーンにも滲み出ていて良かったです。

監督は「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス。本作でも登場人物は基本的にみんな「良い人」でほのぼのとした印象のヒューマン・コメディーでした。