土門拳の写真展にて独特の接写で迫力ある作品を満喫

写真が趣味の夫に誘われ、恵比寿の東京都写真美術館に行ってきました。特に写真には興味ないのでテーマがこれでなかったら行っていなかったかも。

土門拳の古寺巡礼」

土門拳についてはうっすらと認識していた程度だったのですが、先日山田五郎氏のYouTubeみうらじゅんが熱く仏像愛を語っていた回があり(あまりに長く話しすぎて3回に分けて配信された)、それで俄然関心が高まったのでとても良いタイミングでした。

youtu.be

YouTube

ちなみにみうらじゅん氏は、小学生の頃知り合いのおじいさんに土門拳の写真集を貰い、それで「観光用絵葉書ではない仏像写真がある事」に感銘を受けたそう(やはり子供の時からユニークだったんですね…)

土門拳は報道カメラマンとしても多くの記録写真を残していますが、その一方で戦前の室生寺を訪れて以来古寺や仏像を撮影、「古寺巡礼」をライフワークとし1963年に第1集を刊行。脳出血に倒れ車椅子生活になってからも精力的に撮影を続行、1975年に第5集で完結させています。

本展示では、平安初期の木彫仏を中心としたモノクロ写真とカラーの代表作合わせて120点ほどを鑑賞することができます。

土門拳と言えば、建築物や仏像の細部をクローズアップで捉える独特のスタイル。みうらじゅん氏によると「グッとくるポイント(心が動かされた視点)でシャッターを切っている」仏像好きも納得の作品を生み出しているんですね。写真家自身が仏像に魅了されているからこその写真となっているのでしょう。

パンフレットにもありますが室生寺の釈迦如来坐像(館内で唯一撮影OKのコーナーで)。古寺を巡礼するきっかけとなった作品です。

こちらはパンフレット記載の唐招提寺千手観音立像。みうらじゅんが熱く語っていた写真です。確かに観光絵葉書なら千本の手が見えるように全体像を写すであろうところを、敢えて片側切り取ってみせている事で、却って観音像全体の迫力が感じられるようです。

写真の技術的な点はわかりませんが、どの作品からも古寺や仏像に対する土門拳の真摯な姿勢と気迫が感じられる、熱量の高い展示でした。

さて、折角恵比寿まで来たので飲んで帰らなきゃ、と言う事で。

久しぶりのエビスの黒。美味しくいただきました。