「事件」古い日本映画に女優の役作りと熱演を観る

時計代わりの朝ドラ。物議を醸し出した前作ちむどんから代わって今作は滑り出しから概ね好評のまま折り返しでいるようですね。

まいちゃんの話はちょっと置くとして、今更ながらの「ちむどんどん」。反省会タグがつく程ネットは賑わっていましたが、そもそも朝ドラはいつからか新人女優の登竜門みたいになり(たまにおしんみたいな例外もありつつ)、ストーリーよりも頑張るヒロインを応援するという見方が大半だったのでは。

かく言う我が家も在宅が無ければ朝ドラなんて観る時間無かったし、録画する程の興味もありませんでしたしね。

そんなちむどんも何だかんだで最終回まで「観てしまった」私と夫。ドラマの感想は控えますがw共通したのは、「仲間由紀恵、凄かったな」

劇中の長台詞や沖縄舞踊も去る事ながら、その役作り。最初は綺麗なお母さんだったのが、段々見るから「お母ちゃん」になっていくんですね。背中がまぁるいんですよ。多分体重増やされたんじゃないのかな。いつものバリキャリのようなスタイルとは一転して、座っているだけで、沖縄の田舎の母親って感じでした。

背中で見せる、といえば思い出すのか、映画「事件」の大竹しのぶ

「事件」(1978年)

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山林で若い女性の刺殺死体が発見される。女性は駅前でスナックを営むハツ子(松坂慶子)。数日後未成年の宏(永島敏行)が逮捕されるが、宏はハツ子の妹(大竹しのぶ)と同棲していた。

一件の殺人事件の裁判から、1人な青年をめぐる姉妹の姿を描いた作品。

汚れ役体当たりの松坂慶子(綺麗でしたね)に負けずと熱演だったのが大竹しのぶ。裁判での名場面もですが、記憶に残るのが確かラストシーン。愛する男の子供を身籠った彼女がただとぼとぼ歩いていく後姿が映るのですか、背中が四角くて(丸とか四角とか煩いですね、私w)どこから見ても「妊婦」なんです。

当時確か実齢も20そこそこだったのでは。その頃からやっぱり凄かったんですね、彼女。

本作は最初から犯人もわかっていて、法廷での弁論場面も多く、退屈になりがちな裁判モノ。

しかし弁護士が出来れば減刑に、あわよくば無罪に持っていこうとする攻めの反対尋問を展開する、見事な裁判劇。

そして駆け引きやトリックではなく、むしろドロドロとした人間関係に真っ向フォーカスした、なかなか見応えありの映画でした。

この頃の日本映画は作品も役者さんも重厚感があったような気がします。今後も面白い映画を撮ってくれる事を期待したいです。

それにしても綺麗でいなくちゃいけない一方で痩せたり太ったり。女優さんは大変だ。