「ゴッドファーザー  最終章」

BSで放送していましたね。吹き替えだしもう何度も見ているし、観ないつもりが結局観てしまいました。

ゴッドファーザー 最終章 マイケル・コルレオーネの最期」

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映画.com

コッポラ監督「ゴッドファーザーPartIII」の全米公開30周年を記念して作られたバージョン。オープニングやエンディングの変更、音楽の追加など修正された作品となっています。

年老いたドン・マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)。過去の罪に苛まれる彼は資産の合法化の為にバチカンに接近、多額の寄付の見返りに叙勲を受ける。事業を合法化し、亡き兄の息子ビンセント(アンディ・ガルシア)を後継者にしようとするが…

パート1、2に比べ何かと評価の低い本作。先ずキャスティングで一番不評だったのがマイケルの娘役に出ていたソフィア・コッポラ。でも私は無垢な金持ちのお嬢さんという感じで良かったと見ています。ちょっと出番多すぎな感じもしますが。

むしろアンディ・ガルシアがスマートすぎて、もっとギラギラ感のある男性でも良かったのでは(だってあのソニーの息子なんだから)と思ったくらい。

いや、やはりトム・ヘイゲン役のロバート・デュバルが出ていなかったのが一番残念でした。1でも2でも本当の息子たちと同等に重要な役どころだったので。何か知らない間に死んだことになっていて(まぁよくある話ですが)その分ストーリーの厚みがなくなった印象です。

この再編集版については、何でわざわざ手を加えたのかがわからない。オープニングは多分バチカンとのやり取りにフォーカスしたかったのだろうと思いますが、特に効果があったようにも見えないし、エンディングにおいては修正前の方が良かったのではとさえ感じます(個人の意見です)。大方の批評家と同様アル・パチーノも絶賛しているらしいので、それなりにいいんでしょうね。でもやっぱり椅子からコトッと崩れ落ちる方がインパクトあったのに(個人の意見です)。

1と2を通し冷徹なまでに采配を振るっていたマイケルが、老齢となり自らの人生の終焉を意識し始める頃になって贖罪を乞う姿は、人間の業を見るような気がします。

かつての妻(ダイアン・キートン)に改めて最愛の人であったと囁き、残りの人生は真っ当に生きる、みたいな事を言うのですが、結局は裏社会から抜けきる事ができないのを悟られるシーン。「どんなに贖罪を求めてもあなたは変わらないのね」と無言で言っているようでした。