「マイ・プライベート・アイダホ」

前から観たかった一本。大好きな2人が出ている作品をアマプラで。

「マイ・プライベート・アイダホ」

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ポートランドの路上で男娼をしながらその日暮らしのマイク(リバー・フェニックス)は、極度に緊張すると眠りこんでしまうナルコレプシーが持病の孤独な青年。親友のスコット(キアヌ・リーブス)は、市長である父親に反抗して家を飛び出し、マイクと同様男娼をして暮らしている。ある日失踪した母親を探す事を決めたマイクはスコットを誘い兄の住むアイダホへ旅立つ。

若者2人のロードムービー。でも青春映画と呼ぶには暗く切ない。

ストリートでたむろする輩達との刹那的な生活に見切りをつけ、盗んだバイクで(どこかの歌みたいだけど)行動を共にする2人。気の合う彼らですが根本的な違いが。

裕福な家庭で育ったスコットにとって男娼もストリートの生活もいわば「若気の至り」。いつでもリセットできるお遊びのようなもの。

しかし幼い頃に親に捨てられたマイクにとって、退廃的なこの生活が人生の全て。結局生きる場所が他にないのです。

社交的で人好きのするスコットに恋愛感情を抱くマイクと、男娼はあくまで生活の為と割り切りマイクの想いを拒絶するスコット。

恵まれた環境にいるスコットと絶望的なくらい喪失感の漂うマイクの対比が何とも哀しくなります。

当初の予定に無かった「マイクがゲイである設定」はリバー自身の提案なのだとか。そのまま消えてしまいそうな研ぎ澄まされた彼の演技が、本作を最後まで魅せているのだと思います。

対するキアヌ・リーブスの醸し出すいかにも育ちの良さげな雰囲気は、スコットの振る舞いを残酷な印象だけに終わらせていないようにみられます。

同性愛、近親相姦、ドラッグと、重いテーマと乾いた映像が、何ともやるせない気持ちにさせる本作ですが、ラストは救いがあるメッセージだと信じたいですね。

さて、この2人の共演と言えば本作に先立ち撮られたこちらも。

「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」

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ガラッと雰囲気変わりますが、好きなんです!芸達者な人達が集まって、全員楽しんでるのが伝わる楽しい映画。大真面目にアホな事やってて笑ってしまいます。

気がつけばウィリアム・ハートも亡くなってしまいましたね。彼も大好きな俳優さんだったんですが。

真剣にコメディやってるリバー・フェニックスも凄く良かったんです。もっといっぱい観たかったな。