映画「TITANE チタン」で説明できない狂気を観る

3連休でしたね。毎日が日曜日の私にとっては長い週末のようでしたが。でも家族全員出かけてくれたお陰で映画二本も(ポイント諸々で¥1、000で!)観られたというとても有意義な連休でした。

ついでにネトフリでも観たので何だか気が付けばシアワセな週末だったのですが、どの映画も私にとっては「濃すぎて」どれから話そうかと。

とりあえず訳の分からなかったところからいきましょう。

「TITANE チタン」

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引用:映画.com

2021年カンヌでパルムドール。いや、実はそこではなくて期間限定につき料金¥1、000に食指が動きました。感想?ん〜難しいなぁ。

幼少時父親の運転する車で事故に合いチタンプレートを頭蓋骨に埋め込まれた主人公アレクシア。成人後あるきっかけで連続殺人を犯してしまい、その後これも衝動的に倉庫に眠る車と交わり妊娠(ありえないんですけど)。連続殺人の指名手配から逃げきる為に、行方不明少年捜索の広告に目をつけ、(女である事を隠しつつ)自分がその少年であるとでっち上げ警察に名乗り出るのだったが…

最初から最後まで突拍子もない設定と、これだけ裸体が出ているにも関わらずエロというより「グロい」映像の為結構な時間目を瞑っていた気がします。折角映画館に行ってるのに何と勿体無い事…

直視できない映像の多くは、アレクシアの起こす殺人シーン。自身の持つかんざしのような物で相手を突き刺し(椅子の足を使うなどもあるのですが何れにしても突起物)、不快感はこの上ないです。

気持ち悪かったね、で終わっても良かったのですが、折角の連休での鑑賞だったので少し付け足しておきたいと思います。

この主人公アレクシア、モーターショーのダンサー。お父様は医者でそこそこ裕福なお家の様子。いかがわしいダンスなどする必要もないのだけど、さしてそれを止める様子もない両親。ここから子供に全く関心のない親の状況がみてとられ、更に視線や様子から父親との性的な関係が伺えます(これは幼少の時から継続していたのか大人になってからなのかわかりません)が、結局両親も殺してしまいます。

一方、行方不明の息子が帰ってきた、と喜ぶ男。彼の行動も奇妙。消防団のリーダーである彼は衰える肉体を維持する為ステロイド注射に依存。再会した息子(本当は女だけど)に異常な執着を見せるのですが…

実は息子はとっくに死んでいて(子供の遺体がフラッシュバックで出てくる)「行方不明」は彼の妄想のよう。

連続殺人の女も消防団リーダーの初老の男もいわば狂人で、その二人が僅かの間だけ親子を演じ心を通わせる場面もありますが、常軌を逸した様子は加速されていくのです。

そもそも車と行為に及んで妊娠するという事自体おかしな話で、結局この妊娠自体妄想だったのか、それとも実父との間の子供だったのか。出産を経て女は死んでしまうけど、この出産も妄想だったのか…

観客を不快と混乱に落とし込むような映画でした。狂気とグロさに浸りたい方はどうぞ。